2009年9月20日 (日)

【衝撃事件の核心】卓球台、料亭、コンパニオン…千葉県庁不正経理のあきれた実態とは

 産経ニュース2009.9.20 08:00より以下、転載。

 卓球台に将棋盤、コンパニオンとの料亭遊び…。今月9日、平成19年度までの5年間で約30億円の不正経理が発覚した千葉県庁。不正に捻出(ねんしゅつ)された公金の一部は、将棋盤や卓球台といった職員の娯楽器具などに消えていた。職員の中には、公金を元手に料亭での豪遊を繰り返し、詐欺罪で有罪判決を受ける者も。千葉県では、千葉市でも、市長と市議会議長が相次いで逮捕されるなどしたばかり。公職の立場を利用して利益を得ようとした公務員不祥事の連続に、「千葉は公務員天国か」という批判が高まっている。「公務員天国」の実態に迫った。(西山典男、田中佐和)

■若く博識のコンパニオンが… 料亭で“豪遊”1人3万円の夜

 柔らかな橙(だいだい)色の明かりが客たちを迎え、茶色の板塀に囲まれた厳かな雰囲気が漂う料亭。千葉市中央区の官庁街から車でわずか5分あまりのところに佇(たたず)む。暖簾をくぐり個室に通されると、窓からは見事な日本庭園が見える。慌ただしい日常を忘れるような穏やかな風景だ。

 ここが、千葉県庁の職員が、“豪遊”していたとされる料亭だ。

 提供されるのは季節の素材を生かした懐石料理。店に頼めばコンパニオンを手配してくれる。客2人に対し、和服姿のコンパニオンが1人付くことが多いという。いずれも若く、博識の女性ばかりで、経済や社会情勢についての会話もできる。まさに、県庁に勤める「地元のエリート」たちを満足させる“憩いの場”だったようだ。
 「大事なお客さまなので」と、店に断りを入れれば、極力、他の客との接触がないように気も遣ってくれる。そのため、接待の場所としても重宝されてきた。

 コンパニオンを呼んで楽しむには、飲食代なども含め最低でも約3万円がかかる。しかし、県職員らが、高いと感じることはなかったようだ。

 県職員が利用していたとされる料亭は、ここ以外にも、千葉市内に複数存在する…。

■100万円請求されちゃった 会社のカネで払っちゃう?

 「(料亭から)100万円もツケを請求されちゃったよ。『会社のお金』で払っちゃおうか。こっちで○○さん(県に出入りする事務用品店)からお金を用意するから、そっちも伝票を作ってよ」

 以前、県庁内では県職員の間で、こんな会話が交わされていた。「会社のお金」とはいうまでもなく、県で扱う公金を意味する。詐欺罪に問われ9月14日に懲役3年、執行猶予4年の有罪判決を受けた県職員の公判で、検察側が明かした会話だ。

 この職員は、県農林水産部の物品の購入事務の担当者。平成16年7月ごろから、他の被告や同課の職員らと週1回のペースで、高級料亭に通い、コンパニオンを付けての豪遊を繰り返していた。判決などによると、代金は、事務用品の支払い金のように装って公費から捻出し、上司を欺いて決済を受けていた。不正に捻出した総額は約2150万円に上った。

 もともと千葉県の不正経理疑惑は、20年に行われた会計検査院の全国調査をきっかけに浮上した。その後、公金をだまし取ったとして、この職員を含む県職員3人が詐欺容疑で逮捕され、県庁の独自調査でも一部部署での不正が発覚した。
 県庁のほとんどの部署で総額30億円にも上る不正が行われていたことが判明したのは今月上旬。不正は県庁だけではなく、犯罪を取り締まる県警の一部にも広がっていたことが明らかになり、県庁は大騒ぎになった。

■廃止されたはずのタクシー券が金庫に…驚くべき不正の手口

 県庁職員が公金で購入したものは将棋盤、卓球台、テニスのネットなどさまざま。県庁では10年以上前に廃止されたはずのタクシークーポン券を買い入れ、金庫内に保管して、日常的に使用していたケースもあった。

 ある県議は、こう疑惑の目を向ける。

 「過去に県の職員とゴルフに行ったことがあった。こちらの私物はボールのみで、なぜかクラブは用意してくれた。『良いアイアンがあるので試してみてください』と。どうも、クラブは職員の所属していた課の所有物だったらしいが、よく考えると変だ。どうやって購入したのか。まさか…」

 不正経理には、「一括払い」「差し替え」など、主に6つの手口があった。その中でも、7割近くを占めていたのは、架空伝票を作成して納品したように装い、購入代金を業者の口座にプールする「預け」と呼ばれる手法だ。

 「うちにも20年前から積み立てられた5千万円のプール金がある」

 県庁に長年出入りしていた千葉市内の事務用品業者は、産経新聞の取材にこう証言する。
 プール金さえあれば、物品納入を装って、ほしいものを買うのは簡単だった。というのも、千葉県庁では、職員は物品納入の際、業者からの納品書の受領・保管を義務づけられていなかった。発注から物品検品まで同一人物が担当し、ほかには誰も納品をチェックしないため、架空納品は発覚しないのだ。「プール金があれば、いちいち決済をとったり予算申請は必要なかった」。県側もこう述べており、「預け」によって、庁内の管理態勢が骨抜きになっていたことを認めている。

■消えた?プール金 職員にも業者にも“おいしいカネ”

 現在でもプール金は39業者に計約4億1800万円残っているというが、県では、全額回収は困難だとみている。

 「他の業者も同じだと思うが、プール金が会社の運転資金になっているところもあり、回収すればつぶれる中小企業がでてくる」

 出入り業者はこう打ち明ける。納品の必要もない大金が、一時的とはいえ大量に入るプール金。県職員の求めに応じて、少しずつ支払いや納品をする一方、業者側でも“勝手”に引き出し、流用していたというわけだ。いってみれば、無利子の融資のようなもので、業者にとってもプール金は“おいしいカネ”だったようだ。

 「間違ったことをしているのではないかと思いながらも断れない雰囲気があり、とてもではないが、業者の側から間違いを指摘できなかった」。ある業者はこう話す。

 「県庁の会議で出た寿司の支払いを頼まれ『後日、事務用品代金として請求書を出しといて』と言われた。『請求額を1割ぐらい高くしていいから』と言われその通りにした」

 5千万円のプール金があると証言した前述の業者は、こう明かす。
 プール金は、すべてが県庁職員の娯楽などに流用されたわけではなく、県庁の事務用品納入などにも使われていたが、正式に予算計上されていないため、業者につけ込まれる。「県から事務用品10万円の注文があれば、1万円くらい上乗せした。切手や印紙の納入まで受けているんだから、郵便局に行く手間賃みたいなものさ」。この業者は明かした。

 ある県政関係者は「こんな無茶苦茶な実態を知っている県庁職員はかなりいたと思う」と不正経理について指摘。「特に課の経理担当者とか事務職の連中は知らないというのは不自然。それどころか、自分自身が事務用品の金額をピンハネして請求していた職員もいた。その金がどこに行ったのかは分からない」と話している。

■森田知事は激怒…「県庁職員の誇りはどこにいった」

 「県民に怒鳴られても仕方がない。県職員としての誇りはどうなったんだ」

 県が不正経理の調査報告会見を行った今月9日。その直前の部課長級会議で、森田健作知事は、居並ぶ県の幹部をこう怒鳴りつけたという。

 今年4月に就任した森田知事自身は、不正に直接関係していなかったとみられる。しかし、記者会見では「就任前から噂は聞いていたが…」と述べ、「大変残念だが、しっかり確かめて今後の糧にしたい」と頭を下げた。

 その後、県庁には2千件を超える抗議の電話やメールが殺到。県庁前には街宣車が乗り付け、連日のように大音量で不正問題を批判して帰宅する職員らを罵倒(ばとう)する騒ぎも起こっている。

 県は、不正経理を行った職員や副知事を含む管理職に不正分の返還をさせるほか、職員の処分を行う方針も表明するなど、信頼回復に必死だ。しかし、18日には、新たに20年度分の不正経理約8千万円が発覚。国民や県民の不信感は増すばかりだ。

 長年にわたって県庁に巣くってきた“不正の病理”は根深く、信頼回復の一歩は、そう簡単に踏み出せそうもない。

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2009年9月12日 (土)

衆院議員の日給115万円!? たった2日で満額支給

 産経ニュース2009.9.12 22:07より以下、転載。

 8月30日の総選挙で当選した衆院議員の8月分の歳費が16日、480人の全議員に支給される。同月の在任期間は投開票のあった30日と31日のわずか2日間だが、歳費と文書通信費の計230万1千円が満額支払われる予定だ。日給換算で約115万円、全議員で約11億円という巨額な支出で、「社会常識を逸脱している」「無駄遣いだ」と批判も出ている。

 衆院事務局によると、16日に支給されるのは、8月と9月分の歳費と文書通信費の一部。議員の任期は投開票日にスタートするため、8月30日からが歳費支給の対象となる。

 歳費の額は「国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律」で1人当たり月130万1千円と規定されている。8月の在任期間はわずか2日だが、同法には「日割り計算」などの制度はなく、満額が支給されることになった。

 また、電話代や交通費など政治活動に使う目的で支給されるが、使途報告義務がなく「事実上の歳費」とも呼ばれる月100万円の文書通信費(正式名称・文書通信交通滞在費)についても全額支給される。

 こうした解散総選挙による“歪(ひず)み”は以前から指摘されている。平成12年6月の総選挙では同月2日に解散したため、わずか2日間の在任期間を理由に499人に1カ月分が満額支給され、問題になった。

 歳費の返納は「公職選挙法が禁じる寄付行為にあたる」との理由で認められていない。このため、過去には一部の議員が公選法に抵触しない「選挙区外」の慈善団体に寄付したケースがある。

 民主党新人の横粂(よこくめ)勝仁議員(28)は、「一般的に考えておかしなことだと思う。今回は受け取るが、選挙でかなりのお金を使ったので、恐らくそこに充てることになるのでは」と戸惑い気味に話す。

 近畿地方の民主党の中堅議員も「(8月)30、31日はあいさつ回りで忙しく、国会議員としての仕事はしていない。2日間で1カ月分というのは社会常識を逸脱しており、報酬規定の見直しが必要だろう」と訴えた。

 “政治とカネ”の問題に詳しい日本大学の岩井奉信教授(政治学)は「無駄遣いとしかいいようがない。日割りや返納などの制度を導入すれば済むのに、議員自らのことなので改正に意欲的でなかったのだろう。民主党は無駄遣いの撤廃を打ち出しているが、身近な点から改革しないと、国民の理解は得られないのではないか」と話している。

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2009年3月 4日 (水)

資金管理団体

 政治家や政治家になろうとする人が、本人が代表者を務める政治団体から「政治資金の受け皿」として1団体だけ指定する団体のこと。一つの都道府県内で活動する場合は都道府県の選挙管理委員会に、それ以外は総務省に届け出る。

 政治資金の流れを把握しやすくするのが狙いで、金丸信・元自民党副総裁の脱税事件を契機に1995年の政治資金規正法改正で導入された。2000年には資金管理団体への企業・団体献金が禁じられた。ただ政治家が代表を務める政党支部は企業献金を受け取ることができる「抜け道」が問題点として指摘されている。

 日経の用語解説から転載。

 政治資金規正法・・・政治資金の透明性を確保するため1948年に施行した。政治団体に毎年、政治資金収支報告書の提出を義務付けている。企業献金は政党や政党支部、政党が指定する政治資金団体以外にはできないと規定しており、違反した場合の罰則は一年以下の禁固または五十万円以下の罰金。政治団体の会計責任者らが収支報告書に虚偽の記入をした場合は、五年以下の禁固または百万円以下の罰金が規定されている。

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2009年1月31日 (土)

規制強化、雇用に冷や水

 「政府の規制改革会議 草刈議長に聞く」と題して日経がインタビューを掲載。以下、転載します。

 政府の規制改革会議の草刈隆郎議長は日本経済新聞とのインタビューで、経済危機の深刻化を和らげるために切れ目ない規制改革で失業者の受け皿となる雇用の場を広げる必要性を訴えた。中期の課題として、農業や医療産業の成長力を高める改革を推し進めると語った。一問一答は次の通り。

 --日本郵政がオリックスグループへの「かんぽの宿」売却を凍結しました。

 「経緯を聞く限り公正な入札手続きを経て選んだということであり、政治的にストップをかけたのには強い疑問を感じる。状況を注意深くみていくが、当会議として何らかのアクションが必要になるかもしれない」

 --日本経済の落ち込みは速度、深さとも尋常ではありません。

 「今後の一、二年は回復が見込めない可能性が高い。だからこそ雇用機会を広げる即効薬が大切になるが、各省とも逆行する政策が少なくない。典型はタクシー台数の再規制だ。国土交通省は参入・増車規制の強化や減車促進を盛り込んだ法改正案を詰めている。運転手の雇用を増やすと表明したタクシー会社があるのに、同省のやり方は時代の要請を無視した策だ。消費者利益も損なう」

 「タクシーの規制緩和が本格化してから目立つようになったのが定時制乗務員だ。いわばパート勤務の運転手で、2004年からの四年間で東京地区を中心に約一万人増えた。女性も職に就きやすくなった。一人あたりの給料を減らして仕事を分け合うワークシェアリングが機能している」

 --労働者派遣も規制強化の方向です。

 「厚生労働省が日雇い派遣を原則禁止する法改正案を国会に出したうえに、野党だけでなく与党の一部でも製造業への派遣を禁ずる案が取りざたされている。派遣社員に表面化している問題は、労働者保護法令の厳格適用や雇用保険改革で解決すべきであり、派遣業を規制するのは筋違いだ。非正規社員の失業問題が深刻になっている背景には正社員の解雇規制が厳しすぎる問題もある」

 「同省はインターネット、電話などによる医薬品販売を省令で規制する方針だ。副作用による事故を防ぐ仕組みは必要だが、民間企業が創意工夫を凝らして事業の機会を広げようとする努力の芽をなぜ摘むのか」

 --中期で成長を促す具体策は?

 「消費税率の引き上げを含め、いずれ増税は避けられない。だからこそ成長促進と行政改革が重要になる。成長促進の目玉は国や地方自治体の関与が大きな産業分野、つまり官制市場に民間の創意工夫を生かしやすくする改革だ。特に農業、医療、保育などはどれも成長余地が大きい」

 「石破茂農相が減反政策の見直しに言及するなど、改革が動き出す兆しはある。この機に民間が主体となって国際競争に耐えうる農業を営める仕組みを考えてほしい。医療は患者を世界から呼び寄せるようなグローバル産業に育てるべきだ。さらに、患者が保険診療と自由診療を一体の治療行為として受ける混合診療の適用範囲を広げることが課題だ。病院の経営と診療の分離、診療報酬明細の完全電子化、診療報酬体系の合理化など道半ばの改革も多い。医療の機能強化は財政面だけでなく、制度面からも推し進めるべきだ」(聞き手は編集委員 大林尚)

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2009年1月25日 (日)

内外需のバランス急務

 日経より抜粋。

 考えられる内需振興型の政策は三つある。第一は将来手掛けなければならない投資の前倒しだ。羽田空港の再拡張や学校の耐震化は公共事業として財政出動しても無駄にならない。

 第二は地球温暖化を防ぐ省エネや環境投資。十年で1500億ドル(約13.5兆円)を使い、500万人の雇用創出を目指す米オバマ政権の新エネルギー開発計画は代表例で、国際的な競争が始まっている。三つ目は新産業の育成。医療や農業など規制に縛られた分野を大胆に改革し、ビジネスに育てる余地は小さくない。

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2009年1月18日 (日)

政府と企業の責任分担を見失うな

 昨日の『大機小機』から転載。

 最近の派遣労働者の雇用打ち切りに対するテレビ報道の過熱ぶりや、それに影響されたかのような国会での政府首脳の応答ぶりをみると、市場主義の精神や政府と企業との役割分担の論理が、全く失われてしまったかのように見える。

 特に企業の内部留保が大幅に増えた中での大量解雇を批判した野党議員に対し、政府首脳が「何兆円もの内部留保を持つ大企業が時給千円足らずの人の職を奪うのは正しいか」と答弁したのには驚いた。国民経済計算ベースの営業余剰は2002年から07年までの五年間で五兆三千億円増えたが、その前の五年間は過剰雇用のため七兆四千億円も減った。その結果、投資が抑制され、不況が長引いて雇用機会が減少したとなぜ答弁できないか。

 これまでも政府の要人は「内需拡大のために賃上げを」と、労働組合と同様の発言を繰り返してきた。しかし不況時において、非正規雇用の維持や内需拡大まで企業の責任とされるなら、政府は一体何に責任を持つのか。

 政府は財政再建のため十分な景気対策ができないと言いがちだ。一方で、貴重な税財源が無意味な定額給付に浪費され、それを閣僚が受け取るか否かという低次元の論争が続いている。無駄な農業や道路予算の削減など公共事業費の改革も進まない。非正規社員へのセーフティーネットの整備や教育・訓練、内需拡大のための投資を生み出す規制改革など政府がなすべき課題は放置されたままである。

 小泉純一郎内閣が時間をかけた郵政民営化に対し、与党内部からも見直しの動きが強まっている。選挙を意識してか、オリックスが日本郵政の「かんぽの宿」を競争入札で落札したことについて、オリックスの宮内義彦会長が規制改革会議議長だったのを理由に総務大臣が取引の中止を強く求める異常事態も生じている。かつて政治家の利権のため国鉄に赤字路線を建設させたように、今も政治家は民間企業が政府の言いなりになるべきだと考えているのか。

 世界同時不況のなかで、日本企業は生き残りをかけている。生産の落ち込みで解雇された労働者の生活を支え、教育・訓練のための費用を賄うのは雇用保険の役割である。そのために五兆円もの積立金もある。このまま政治の貧困が続けば、グローバル化が進む世界経済の下で、製造業が次々と日本を見捨てる日は遠くないであろう。

 【参考】『利益の蓄積、手元資金と別』(日経1/14『雇用Q&A』より転載)

 雇用を守るため、企業の「内部留保」を活用すべきだとの意見が政治家や労働組合から出ている。だが内部留保は企業が自由に使える手元資金とは違う。内部留保の考え方の要点をまとめた。

 Q そもそも内部留保とは何か。

 A 簡単にいえば、企業のもうけである利益の蓄積のことだ。企業は製品を売っておカネを稼ぎ、そこから費用を差し引いて利益を計算する。この利益から株主への配当金を支払って残ったのが内部留保だ。企業は内部留保した資金を再投資し、成長するために使う。

 Q 決算書をみても内部留保という言葉が見当たらない。

 A 貸借対照表(バランスシート)をみると、向かって右下に「純資産」という項目がある。この中にある利益剰余金から配当金を差し引いたものが一般に内部留保と呼ばれる。

 Q 雇用を守るために内部留保を取り崩せるのか。

 A 少し誤解がある。内部留保イコール手元資金ではない。内部留保は利益の蓄積だが、同額の手元資金を持っているわけではない。企業は利益として稼いだおカネを使って、工場や設備の購入、原材料の仕入れなどを行うからだ。

 貸借対照表の左側にある現預金と有価証券の合計を一般に手元資金と呼ぶ。上場企業全体で2008年九月末時点での利益剰余金は百四十一兆円あるが、手元資金は四十七兆円にすぎない。

 Q 手元資金は潤沢ではないか。

 A 上場企業は08年三月期まで六期連続の増益となり、手元資金が膨らんだ。だが、トヨタ自動車が今期に連結営業赤字を見込むなど、企業業績は急激に悪化している。企業は雇用を維持したいものの、手元資金を使って雇用を維持すれば、業績が一段と悪化して財務基盤を弱めかねない。金融危機の中で不測の事態に備え、手元資金を厚めに持ちたいと考える企業も多い。限られた資金をどう使うか経営者は難しいかじ取りを迫られている。

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2008年12月31日 (水)

行政への「意見公募」形骸化

 国の行政機関が命令や規制をする際に事前に一般から意見を募集する「パブリックコメント」で、2006年度は案件の半数近くが「意見なし」だったことが総務省の調査により明らかになった。

 各省庁はホームページなどで意見募集を告知しているが、国民にあまり知られておらず、制度が形骸化しているのが実態。

 パブリックコメントは「意見公募手続」として行政手続法に基づき実施される。06年度は761件の政令や府省令などが対象だった。一般からの意見総数は16058で、一案件当たり約21だった。501以上の多くの意見が寄せられた案件も七件あったが、意見ゼロが358件(47%)あり、1~10が275件(36.1%)あった。意見の反映実績は90案件で、約12%だった。

 以上、昨日の日経より。

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2008年12月20日 (土)

政府、金融安全網を拡充

 日経によれば政府は総額43兆円規模の生活防衛対策を決めたそうです。なかでも目立つ対策が銀行等保有株式取得機構による株式買い取り枠の増加だとのこと。一気に十倍の20兆円へ増やすといいます。今年三月末で銀行が持つ株式は17兆円、事業会社が持つ銀行株が5兆円と、合計22兆円。理屈上はこれら株式のほぼすべてを買い取ることができるようになるといいます。

 金融機能強化法の公的資金枠も10兆円増やし、12兆円にするそうです。1990年代後半からの日本の金融危機の際に、政府が資本注入した公的資金は総額12.4兆円に上るといいますが、今回この水準に匹敵する規模へと公的資金枠を拡充することになります。

 中堅・大企業の資金繰り対策にも合計約3兆円を用意するそうです。日本政策投資銀行が日本政策金融公庫の資金を使って実施する中堅・大企業向けの低利融資に1兆円、企業のコマーシャルペーパー(CP)を購入する業務に2兆円を準備。さらに、住宅金融支援機構よる中小の不動産会社への資金繰り支援として約2000億円を用意するそうです。

 緊急対策の目玉となったのが雇用対策だといいます。雇用保険料の引き下げで労使の負担を6400億円減らすほか、非正規労働者が雇用保険に加入しやすいように適用基準を緩和することなどで、失業給付を1700億円拡充するとのこと。

 2200億円を用意した再就職支援は、失業した非正規労働者や中高年者を対象に地方自治地が一時的な雇用機会を創出する事業を盛り込むといいます。

 雇用対策の総額は1兆1000億円に達するものの、多くの対策は今年度第二次補正予算か2009年度予算での財源の手当てが必要で、ねじれ国会のあおりで成立がずれこめば緊急対策の意味は薄れてしまうといいます。

 雇用対策とならぶもう一つの柱である税制では、国・地方合わせて1兆円を超える減税を打ち出しています。住宅ローン減税は、所得税・住民税額から差し引ける金額の上限を十年間で600万円まで引き下げ。低公害車の自動車取得税や自動車重量税を減免する制度を創設。

 ほか、農林水産分野では新規の就農者の研修費を農業法人などに補助する制度、国土交通分野では高速道路料金の引き下げなど。

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2008年11月27日 (木)

定額給付金に「賛成」63%

 11/17の日経より。インターネットを通じた全国二十歳以上の男女千人の回答だそうな。首相の意に反して全回答者の73%が所得制限に賛成しているとも。

 ・・・これはマトモな政策じゃないよ。稚拙だ。とても政策とは呼べない。そんなカネ、もらっても、もらわなくても金持ちにはどーでもいー話だと思うし。事務に経費(税金)はかさむし。減税すりゃ、いーだけの話じゃないのか。還付可能な税額控除って方法もあるだろう。

 景気が刺激を受けるためには、配ったカネが無駄遣いされなければならないが、その一方でエコがどうたら言うわけだ。仮に生活必需品に費やされたとしても、今までそれに費やされていたカネが浮くわけであって、今度はそれをどうするかって話。

 しかし、賛成が63%か・・・政治って多数決じゃ駄目なのかなぁ。。。

 【後日記】2009/1/11の日経より以下、転載。

 政府が追加経済対策の目玉と位置付け、2008年度の二次補正予算案に盛り込んだ定額給付金事業で、首都圏自治体が対応に苦慮している。実施体制の検討を始めた市区で「郵送手続きや窓口で混乱が生じかねない」「膨大な事務量に対応できるか」など課題が次々浮上、担当者は早くも困惑の体だ。いかに難題を乗り切るか。国会論戦が熱を帯びる舞台裏で、行政の現場はギリギリの準備を迫られている。

 「考えるとキリがない・・・・・・」。東京都葛飾区役所に新たに設けられた定額給付金室。給付体制の検討、国や周辺自治体からの情報収集にあたる種井秀樹室長は頭を抱える。申請、確認書類の郵送でのやり取りを経て、世帯主の口座に振り込むのが国が示す給付の基本パターン。しかし「簡単にはきかない」(種井室長)という。

 申請書を送るのに普通郵便にするか、書留にするか。確実に届けるには配達記録が残る書留が望ましいが三月以降、簡易書留は原則一通三百円が必要。「普通郵便が現実的」(ある区の担当者)だが、現金を受け取れる書類だけに盗難の危険もある。

 国は事務費を全額補助する方針だ。ただ、職員の本給や備品購入費は対象外。各自治体は人件費などの持ち出しが避けられそうにない。

 東京都練馬区は昨年十二月、定額給付金対策準備室を設置した。兼任職員三人に加え、専任職員も三人配置したが、専任職員の人件費は国から交付されない。給付が始まれば、担当職員の人数は「一層増える見通しだ」(準備室)。

 給付が始まる際の職員配置も悩みの種だ。給付が見込まれる三-四月は転入や転出など窓口事務が集中して「職員が最も足りない時期」(東京都新宿区)。川崎市経済労働局は「給付時期に衆院選が重なれば、負担は相当重い」と懸念する。他部門も多忙で応援増員にも限界がある。

 横浜市は給付事務に「膨大な手間とコストがかかる」(市民活力推進局)と想定。事務要因として臨時雇用者の採用を検討中だ。ただ、「国が詳細なたたき台を出してくれず、準備を進めたくても進められない」とうらみ節も漏れる。

 さいたま市は08年十月以降に職を失った非正規労働者を対象に、十三日から臨時職員約百人を募集する。相川宗一市長は「どんなことをやるか明確になった時点で(臨時職員の仕事内容を)決めたい」と話す。定額給付金に関する事務作業も対象の一つだ。

 職員の体制を整え、郵送作業が順調に進んだとしても、行く手にはさらに壁が立ちはだかる。

 昨春、七十五歳以上を対象にした後期高齢者医療制度(長寿医療制度)で、約三万八千人に「転送不要」で保険証を郵送した東京都葛飾区。百数十通が返ってきた。

 定額給付金は約二十一万世帯が対象。住民基本台帳などの住所以外に届かないよう「転送不要」で送り、同じ割合で返送されれば、一千通近くが戻ってくる計算。昨年の二の舞いになりかねない。

 多数のホームレスを抱える川崎市は住民基本台帳と居住地が食い違う人への給付で頭が痛い。「国が基準を定めないと、ホームレスや配偶者間暴力(DV)被害者らに十分な説明ができない」

 郵便が届かない場合や、病気や高齢などの理由で申請書を返送できない事態も起こりうる。約十七万世帯に約六十二億円を給付予定の町田市も「高齢者らで基本パターンで対処できない事例が多発するだろう」と警戒する。給付が始まれば、各自治体は一層難しい対応を迫られるのは必至だ。(森川直樹)

 定額給付金事業・・・給付金額は一人につき一万二千円。六十五歳以上と十八歳以下の人には八千円上乗せし、二万円を給付する。年齢や住所の基準日は二月一日。この日に住民基本台帳に記録されている人および、外国人登録原票に登録されている人が給付の対象で、世帯主が受給権者となる。宝くじの当せん金と同様、所得税は非課税。

 【後日記】『消費税増税 定額給付金 反対が7割弱』(2009/1/26日経より抜粋)

 日経リサーチが全国の成人男女を対象に乱数番号(RDD)方式により電話で実施したそうです。有権者のいる千五百十六世帯から九百三十一件の回答を得たとのこと。回答率は61.4%。

 麻生内閣の支持率が19%となり、昨年十二月の前回調査から二ポイント低下した。支持率が二割を切ったのは森政権末期の2001年二月以来。

 次期衆院選の比例代表の投票先では民主が40%、自民が21%で二倍近くの大差となった。自民と民主の政党支持率が逆転するのはガソリン税の暫定税率を巡って混乱した昨年五月以来で、麻生内閣では初めて。

 給付金は反対が67%で賛成が22%、消費税増税方針は反対が67%で賛成が24%で、いずれも反対が賛成を大きく上回った。

 【後日記】『定額給付金、暴力団へ「9億円超」 排除規定なく警察ジレンマ』産経ニュース(2009.2.14 20:11)より転載。

 国が年度内の支給を目指す総額2兆円規模の定額給付金について、現状のままでは暴力団組員へも支給されることに、懸念の声があがっている。山口組など全国22の指定暴力団の構成員と準構成員は計約8万人(警察庁調べ)。支給に暴力団排除の規定はなく、単純計算で約9億6000万円の税金が暴力団側へ流れることになり、警察幹部は「間接的に上納金になる可能性もある」と指摘する。しかし、排除対象にすれば事務手続きの混乱は必至。暴力団の資金源封じ込めを進める警察や自治体はジレンマを感じている。

 定額給付金の支給額は1人当たり1万2000円。65歳以上と18歳以下は2万円で、標準世帯(65歳未満夫婦、18歳以下子2人)では、支給額は6万4000円になる。

 総務省によると、受け取り条件は「2月1日時点で住民基本台帳、外国人登録原票に記載のある人」。辞退しない限り、実質的に日本に住む全世帯の人が受け取れる制度になっている。排除対象は不法滞在外国人など一部だけで、暴力団組員を排除する規定はない。

 一方、公的サービスから暴力団を締め出す流れは年々加速。生活保護費の場合、「保護費を暴力団の資金源にしてはいけない」との理由から厚生労働省が平成18年3月、暴力団組員に支給しない方針を決定した。各福祉事務所は組員と疑われる申請者を警察に照会。確認されれば申請を却下するほか、生活に困窮している組員には暴力団からの離脱を求める。

 公営住宅についても、都道府県などが排除する取り組みを続けている。各自治体の条例で組員の新規入居を認めず、後に組員と判明すれば明け渡しを請求。いずれも自治体と警察の緊密な連携が鍵となっている。

 そうした中、ノーチェックで暴力団に支給される給付金に、自治体担当者らは矛盾を感じている。

 大阪市の給付金担当者は「当初は生活支援という意味合いが濃かったこの制度の趣旨を考えると、暴力団にお金が渡ることには疑問を感じる」と本音を吐露。しかし、人口約260万人(世帯数約130万)という同市で、暴力団組員を識別することは困難という。

 総務省によると、制度は全世帯支給が前提のため、暴力団排除などのテーマはほとんど議論されたこともないという。

 山口組の元顧問弁護士、山之内幸夫弁護士(大阪弁護士会)は「不況でシノギ(資金獲得活動)が減っているうえ、何をしてもすぐ警察に逮捕される窮屈な現状で、全体的にヤクザも大変苦しい」と暴力団の現状を分析。給付金の辞退も可能だが「多額ではないとしても、喜んで受け取るでしょう」と指摘する。

 ある警察幹部は「間接的に上納金になる可能性があるだけでなく、全国最大の山口組の組長であっても受け取れるというのが、税金の使われ方として非常に悔しい。ただ、制度から暴力団を排除できない以上、他の手法を駆使して資金源封じを図っていくしかない」と話している。

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公債増加に踏み切れ

 と、題した日経「大機・小機」を転載。

 麻生太郎首相が発表した経済対策は定額給付金支給、介護・教育の強化、雇用対策、住宅ローン減税、中小企業金融対策、高速道路料金の引き下げなど、内需拡大策が中心で、その基本方針は妥当である。だが問題はそれを実現するための資金が不足していることだ。資金が足りなくては十分な対策もできない。

 一方、財政再建政策を目標として、首相は三年後の消費税引き上げの可能性を述べている。需要拡大政策と増税は真っ向から衝突する。

 財源軽視は民主党も同様である。民主党の需要拡大政策は財源を無視したペーパープランであると自民党から批判されているが、それは当然である。だがそれを批判する自民党も財源のメドが立たないのは同様だ。結局、与党も野党も財源の目標のない作文対策で争っているわけだ。

 既に公債の拡大は必至である。三年後に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化させようという政府の目標はもう既に破綻してしまっている。

 それではどうすればよいのか。公債を増発すべきである。日本では経常収支大幅な黒字が続いてきた。これは日本国全体で供給超過、内需不足であることを意味する。公債は国の借金であり、それに依存すべきではない、というようなきれいごとはこの際キッパリと捨て去るべきだ。

 公債は国民が購入する。国民からお金を借りてそれを国内需要の拡大に使うのは少しも差し支えない。公債による支出をばらまきだというのは正しくない。ばらまきはもちろん避けなくてはならない。だがそれは公債による収入の使い方の問題であり、この点に注意すれば、公債の発行が拡大しても構わない。

 高い収入を当てにして株や投資信託を買った国民は大きな被害を受けたが、公債を買った国民は資産を維持している。公債は国民にとって最も安定した金融資産である。

 公債を増やして何に使うか。有効需要が不足しているのだから。その用途は無限にある。特にこのところ財政難で減らされ続けてきた道路などは長期的な観点から拡大が必要だ。高齢者対策なども財政に期待するほかはない。

 成長率が高まって、税収の自然増があれば公債の減額も可能になる。成長率が年率四ないし五%になれば、それが可能であるという一部のエコノメトリシャン(計量経済学者)の推計もある。

 ・・・という内容でした。将来、低所得者の税負担増につながらないのであれば、また、消費税率アップにつながらないのであれば、バンバン発行してもらっても一向に構いませんよ、私的には。(買う人いねーだろ。)てか、むしろ発行してちょ。んで、累進課税率復活!社会保障関連の援助には所得制限ならぬ金融資産制限も!

 【後日記】『個人向け国債 販売額最低に 利率低下、魅力薄れ』(2009/4/12日経より転載)

 財務省が十五日発行する個人向け国債の販売額が比較可能な2006年移行で、最低水準に落ち込んだことが十一日わかった。販売額は計三千二百八億円で、前回一月の発行分(五千四十七億円)に比べ36.4%減った。主力の固定金利五年物の表面利率が過去最低の年率0.71%(税引き前)に低下するなど、運用の妙味が薄れているのが主因だ。

 個人向け国債は固定金利五年物に加え、変動金利十年物の二種類を年四回発行している。十五日に発行する四月分は三月五日から購入の受け付けを始め、同月末で締め切っていた。

 財務省によると四月分の販売額は、06年から発行を始めた五年物が二千九百四十一億円で、過去二番目の低水準に落ち込んだ。03年から発行している十年物は二百六十七億円で、過去最低水準を更新。合計でも、五年物と十年物の二種類を扱う現行体制となった06年以降、これまで最低だった昨年四月の三千五百四十億円を下回った。

 財務省は個人向け国債の販売のてこ入れ策として、満期までの期間が短い「固定金利三年物」の販売の検討に入るなど、品ぞろえ強化を急いでいる。

 【後日記】『日本国債、海外の保有縮小 半年で8兆円減』(2009/7/28日経より抜粋)

 海外投資家による日本国債の保有が低迷している。今年3月末には保有率が6.4%、保有額は43兆円台となり、2007年9月末以来の低水準に落ち込んだ。世界同時不況の影響が大きく、4月以降も欧米の投資家を中心に日本の中長期債の売却が続いている。中長期的に国債の安定消化に悪影響を与えかねないため、財務省は欧米や中東諸国を対象に販路拡大を目指す考えだ。

 日銀によると、国債の残高は3月末時点で約681兆7000億円で、このうち海外投資家の保有分は約43兆7000億円。9割以上は銀行や生命保険会社など国内投資家が保有している。米国やドイツでは海外投資家の国債保有率が半分以上。英国やフランスでも3割を超えており、日本国債は海外投資家の保有率の低さが際立つ。

 ただ、海外投資家による国債売却は今のところ長期金利の上昇にはつながっていない。新発10年物国債の利回りは昨年9月にはおおむね1.4%台だったが、足もとでは1.3%台。貸し出しが伸び悩み、運用難が深刻化する国内銀行などが国債投資を積極化しており、海外投資家の売りを吸収しているためだ。

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2008年11月18日 (火)

小売店の出店規制

 1974年施行の大規模小売店舗法(大店法)は中小小売店の保護を目的に、売り場面積500平方メートル超の出店を規制した。米国の市場開放圧力もあり、2000年に大店法が廃止され、同年6月に大規模小売店舗立地法(大店立地法)が施行。1000平方メートル超の店は届け出制となり、周辺の交通や環境に配慮していれば事実上、出店規制はなくなった。

 その後、人口減で市街地の地盤低下が進む一方、土地を確保しやすい郊外で出店競争が過熱。大店立地法に都市計画法、中心市街地活性化法を加えた「改正まちづくり三法」が07年11月末に完全施行され、再び規制が強化。延べ床1万平方メートル超の出店は商業地域などに限定された。

 以上、日経の用語解説より。

 大型店・・・一定以上の売り場を持つ小売店の総称。百貨店、スーパー、ショッピングセンター(SC)、家電量販店やホームセンターを含む。出店を届け出に緩和した大規模小売店舗立地法(2000年施行)の対象は売り場面積1000平方メートル以上。郊外出店を規制した「改正まちづくり3法」(07年完全施行)の対象は延べ床1万平方メートル超と規模に明確な定義はない。(2009/2/19日経より転載)

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2008年10月10日 (金)

政教分離「集中審議を」

 日経によれば、民主党の菅代表代行が記者会見で、憲法が規定する政教分離の考え方について、「集中審議も一つの考え方ではないか」と述べ国会で論議を深めるべきだとの認識を示したとのこと。創価学会を支持母体とする公明党を、揺さぶる狙いがあるとみられているそうです。

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2008年10月 6日 (月)

総合経済対策2つの矛盾

 9/3の日経『大機小機』を以下に転載します。

 政府は八月二十九日に総合経済対策を決定した。この対策は二つの矛盾点を内包している。一つは財政再建に関する矛盾だ。対策は、2011年度のプライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化の目標を堅持し、有効需要創出を主目的とした財政出動は行わないとしている。だが一方で、定額方式による特別減税を実施し、臨時福祉特別給付金を支給するという。これは財政出動による有効需要創出策そのものではないのか。

 一日夜に退陣を表明した福田康夫首相は、もともと減税には消極的だったとされる。財政再建路線の堅持が福田首相の理念であり、減税と給付金はその理念に反して外から押し込まれたものだと考えられる。すると、この矛盾は福田首相の意図と現実の政治情勢との食い違いを象徴するものであり、退陣の一つの引き金になったのかもしれない。

 もう一つは、コストアップの価格転嫁に関する矛盾だ。対策は国民生活を守るという観点から「便乗値上げ・カルテル等不正行為の監視と厳正な対処を行う」としている。

 だが一方で対策では、燃料負担の大きい特定業種を支援し、トラック運送業について燃料サーチャージ制の導入を促進するという。トラック料金に関してコストアップ分を100%価格転嫁させるべきだと考えていることになる。

 同じくクリーニング業に対しては「指導等を行う」という。この「指導等」の意味は明記されていないが、想像はつく。厚生労働省はコスト増に苦しむクリーニング業界のために「原油等の価格転嫁等が必要」という趣旨のポスターを作製している(八月二十六日付日本経済新聞)。この点を踏まえると、クリーニングについては価格にできるだけ転嫁するよう消費者を説得するのが「指導等」の中身ではないかと思われてくる。

 こうして業界が協調してコストを最終価格に転嫁するのは、まさにカルテルそのものではないのか。一律に値上げを認めると、本来は値上げしないつもりだった業者も値上げをすることになる。これは便乗値上げではなかろうか。

 今回の対策は、理念は良いが、理念に反した具体策が紛れ込んでいる。財政の健全化を優先するのであれば、減税や給付金の交付はしない。市場を尊重するのであれば、コストアップの価格転嫁に対して公的な介入はしない。これが理念に沿った矛盾のない経済政策である。

 【後日記】『やめてほしい負の経済対策』
 2009/2/13の「大機小機」から抜粋します。

 経済政策は経済実態の中から生じてくる政策課題を解決するために立案される。ところが政策が実行されるまでの間に経済実態が変化してしまい、結果的に的外れな政策を実行する場合がある。

 極端な場合には、政策を実行することが経済的にマイナスにしかならない場合さえある。いわば「負の経済政策」になってしまうのである。この負の経済政策が、今まさに実行されつつある。

 第一は、高速道路料金の引き下げだ。これは昨年八月の政策パッケージに盛り込まれたものが、今年一月の補正予算で実現することになったのものだ。立案段階では、ガソリン価格上昇に苦しむドライバーの負担軽減という一応の意味があったが、その後、石油価格は大幅に下がったから、今では実行する意味がない。

 観光の振興を通じて景気対策になるという説明もあるが、鉄道から車への代替が進むだけに終わる可能性が高く、省エネ、温暖化ガス削減という面ではマイナスである。五千億円も費用をかけてマイナス効果しかないことをやっている場合だろうか。

 第二は、企業への賃金引き上げ要請だ。これは昨年十月のパッケージに含まれていたもので、十二月に麻生太郎首相が財界首脳に賃金引き上げを求めるという形で実行された。これも当初は、賃金の分配率の低下を食い止め、消費の拡大を通じて景気にプラスになるという意味があったかもしれない。

 しかし現下の最大の経済問題は、急激に需要が落ち込み、企業の業績が急降下する中で、いかに安定した雇用機会を確保するかということだ。そんな時に企業に賃金を上げさせたら、賃金コストが上昇し、雇用情勢の悪化に拍車をかけることになってしまう。

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2008年8月16日 (土)

省エネ・200年住宅・2世帯向け 住宅ローン減税 新設 国交省方針

 現在の住宅ローン減税制度は借入額二千万円分を上限に、六年目までは借入額の1%(上限は二十万円)、七-十年目まで0.5%(上限は十万円)を所得税から差し引く税額控除で、今年期限が切れるとのこと。

 住宅業界はすそ野が広く景気への影響度が高いといいます。新設住宅着工戸数は六月まで十二カ月連続で前年同月割れが続いており、住宅ローン減税制度の延長・拡充には与党からも要望する声が上がっていたそうです。

 国交省が定義する省エネ住宅は「外壁の断熱材が百ミリメートルあること」などで、現時点でも新築分譲住宅の五割前後が定義を満たすとみられるそうです。

 「二百年住宅」は建て替えの度に大量に発生する廃材を減らせるといいます。

 ただ、住宅ローン減税は歳出増を伴わないが、対象が住宅購入者に限られることで、減税による消費喚起効果が高いとされる低所得者層への恩恵が少ない、との指摘もあるもようです。

 【後日記】『09年度 税制改正のポイント』
 12/16日経より。

 与党の2009年度税制改正大綱がまとまった。生活に密着した改正ポイントを解説する。第一回目は住宅ローン減税について。

 耐久性や耐震性、省エネ性能が高く一般住宅より寿命が長い長期優良住宅(マンション含む)に入居する場合は減税幅が大きくなる。ローンを組んで自宅を買い、09年-11年に入居したときは十年間で合計最大600万円(入居が12年なら400万円、13年なら300万円)の税額控除を受けることができる。

 一般の住宅・マンションでは09年、10年に入居すると最大500万円の控除を受けられる。中古住宅でも築年数があまり古くなければ、原則として控除対象になる。

 支払う所得税が控除額に達しない場合、個人住民税からも一部控除できる。所得税が多くない人でも住宅ローン減税が利用できるようにするためだ。住民税の控除額の上限は9万7500円だ。

 住宅リフォームやローンを組まない長期優良住宅の新築についても優遇制度をつくる。自宅に太陽光発電装置の設置や、バリアフリーの改修工事をした場合、所得税を控除する。

 土地取引に関しては09、10年の二年間に取得した土地を五年を超えて保有した場合、売り渡すときにかかる税金を優遇する。土地売却時の譲渡所得から一千万円を特別に所得控除する。個人でも法人でも制度を利用することができる。

 【後日記】『09年度 税制改正のポイント⑤』
 12/30日経より要約。土地取引について。

 目的は土地取引を活性化して内需を刺激するため。

 一つは取得する土地の将来の譲渡益に対する「一千万円の特別控除」の創設。企業や個人が09、10年中に購入した土地を五年超保有した後に売る場合。

 なお、これまで土地を売って利益が出た場合、大企業は譲渡益の30%(中小は22%)を法人税として、個人は所得税や住民税で計20%課税されていた。

 もう一つは法人が保有している土地の譲渡益に対する「課税の繰り延べ」制度。対象は09、10年中に土地を購入した法人や個人事業者が対象。その後十年間のうちに、持っていた別の土地を売却して譲渡益が出ても、そのうち八割(10年購入分は六割)を減額する。その分は09、10年に購入した土地の簿価を引き下げる。その結果、この土地を将来売る際に売却益が大きくなって課税額が増えるので、課税が繰り延べられる効果がある。

 【後日記】『省エネ投資 税負担軽く』

 政府は企業の省エネルギー投資の全額を初年度に費用として一括計上し、税負担を軽くできる新たな「即時全額償却制度」を今夏にも導入する。即時償却は、工事の機械などについて、取得額の全額を初年度に費用(損金)として課税所得から差し引く制度。投資する年の税負担が軽くなり、企業が資金を出しやすくなる。

 政府は即時償却を認める条件として、対象の省エネ投資により工場などのエネルギー効率(資源生産性)を1%以上向上させることを求める。エネルギー効率は、企業が生み出した付加価値をエネルギー消費量で割って求める。

 企業はこのほか、自社全体のエネルギー効率を三年間で一定以上引き上げる計画書を提出し、所管大臣に認定されることも必要となる。

 政府はこれとは別に、省エネ性能が国内流通品のうち上位二割に入っている液晶テレビやエアコン、冷蔵庫などを作っている企業が、それらを作るために投資をした場合も即時償却を認める。

 以上、日経2009/1/26より要約。

 【後日記】『税改革「租特」に切り込む』(2009/8/7日経より抜粋)

 民主党が租特の見直しを打ち出した狙いは、租特の背後にある既得権益の一掃と、子ども手当などの財源を捻出するためだ。それぞれの租特の政策効果を検証したうえで、不要と判断したものは廃止し、必要なものは本則に組み込んで恒久措置に切り替える考えだ。

 税収減となる租特は財政負担になるため、「隠れ補助金」とも呼ばれる。例えば中小企業の貸倒引当金の損金算入を割り増す特例は「暫定措置」が40年以上も続いている。沖縄の特区に認めた法人税額の特別控除のように強い「政治力」が働いたケースもある。

 こうした租特は税制の「公平・中立・簡素」という理念に反するため、これまでも政府税制調査会(首相の諮問機関)などが見直しの必要性を唱えてきた。それでも改革が滞ってきたのは「利害関係者の反発が強く、放置せざるを得なかったケースも多い」(財務省幹部)からだ。

 政府内でも抜本的な租特改革に期待する声は多い。違いは、民主党が「財源」の創出を当て込んでいることだ。税制改正で捻出する2兆7千億円のうち、約半分を配偶者控除と扶養控除の廃止でまかない、残りは租特見直しに頼る意向だ。

 直嶋正行行政調会長は産業界への影響が大きいナフサへの免税(3兆6千億円)は継続する考えを表明したが、具体的な見直し対象には言及していない。目玉政策であるガソリンにかかる揮発油税や、自動車重量税の暫定税率の廃止はいずれも増税措置なので、逆に税収が減ってしまう。

 約300ある租特には減税規模が1億円未満のものも多い。1兆円超の増収を見込むには、減税規模の大きい租特に切り込まざるを得ない。1000億円以上を減税する租特には、住宅ローン減税や中小企業向けの研究開発促進税制など14項目あるが、これらを廃止すれば経済や家計への影響は必至。税制全体の改革で増減税を調整する必要がありそうだ。

 租税特別措置・・・特定の政策への税優遇をはかるために設けた例外措置。租税特別措置法に基づく項目数は、今年1月時点でちょうど300あった。2009年度予算では、減収見込み額が7兆3000億円、増収見込み額が2兆2000億円で、差し引き5兆1000億円の減収要因となる。

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2008年8月 2日 (土)

内閣改造とは

 首相が閣僚の一部または全員を途中で入れ替えること。首相が閣僚を任免すると定めた憲法68条に基づく。衆院選や内閣総辞職に伴って国会で指名を受けた首相が新内閣を組織する「組閣」とは区別する。

 自民党政権では内閣改造に先だって党幹事長、政調会長、総務会長の党三役も刷新することが多い。

 改造当日は臨時閣議で閣僚の辞表を取りまとめた後、与党幹部を交えた「組閣本部」を設置。内定者を首相官邸に順次呼び込み、新官房長官が記者会見して閣僚名簿を発表する。新閣僚は皇居での認証式を経て、初閣議や記念撮影に臨む。

 以上、7/31の日経より。

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2008年7月14日 (月)

概算要求基準

 各省庁が翌年度の予算を要求する際の上限額を決める基準。7月末から8月上旬にかけて閣議了解する。各省庁は基準を踏まえ、8月末までに必要な予算を要求。財務省主計局が内容を査定し、年末までに予算原案をまとめる。
 厳しい財務状況下で、新たな課題によって生じる歳出増の財源は、原則として他の歳出削減でまかなうことになっている。予算のメリハリをつけるため、各省庁が重点施策を上乗せ要求できる「要望枠」を設けている。ただ最終的に予算をどの程度計上するかは財務省が判断する。(昨日の日経の用語解説より。)

 -予算編成の流れ-

 7月末 : 財務省が概算要求基準を策定

 8月末 : 各省庁が来年度予算を要求(概算要求)

 9月~12月下旬 : 財務省主計局が査定作業
              財務省が予算原案を作成
              各省庁との復活折衝
              政府予算案を決定

 1月 : 予算案を衆院に提出
      衆参両院で予算案を審議

 3月ごろ : 予算成立

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タクシー参入規制 地域拡大

 一昨日の日経によれば、国土交通省がタクシーの新規参入や既存事業者の増車を厳しく審査する「特定特別監視地域」を、六地区から百九地区に増やす通達を出したそうです。国交省はタクシー運転手の労働条件が低下していることを主な理由に、来年の通常国会で道路運送法を改正しタクシー業界の規制を強化する方針で、今回の通達は、「法改正を見込んで増車が難しくなると、既存業者が駆け込み増車をしている」(同省幹部)のを牽制する狙いがあるとのことです。

 【後日記】『タクシー事業 参入規制強化に反対』

 政府の規制改革会議(議長・草刈隆郎日本郵船会長)が意見書を公表する、としています。7/31日経。

 タクシー事業は小泉純一郎政権下の2002年に規制緩和され、新規参入や既存企業の増車ができるようになったといいます。この政策が運転手の待遇悪化や安全性の低下などを招いたとの指摘があって、与野党から「行き過ぎた規制緩和」の典型として見直し論が強まっているそうです。

 意見書では賃金の減少や事故率の上昇傾向について「統計データを見る限り、規制緩和と必ずしもリンクしていない」と分析。その上で、①事故率の上昇は運転手や会社への交通ルール順守の徹底などで対応すべきだ②運転手の労働条件改善はタクシー事業者の経営課題-などと提言しているそうです。

 【後日記】『問題多いタクシー規制強化』(日経12/26社説から転載)

 国土交通省がタクシーの規制強化に乗り出す。新規参入の要件を引き上げるほか、台数が増えすぎた地域では減車を促す措置も講じる。現状に様々な問題があるとしても、それは業界の自主努力で解決するのが本来の道筋だ。過度の行政介入は望ましいものではない。

 国交省案によると、供給過剰が生じた地域を政府が指定し、一定の期間に限って新規参入や増車を抑制する。さらに、減車についても、業界が一体となって台数を減らすための仕組みを検討する。同省は来年の通常国会に法案を提出する考えだ。

 背景にあるのはタクシー運転手の待遇問題だ。タクシーは2002年に規制が緩和され、参入が自由になった。それを受けて仙台など一部地域では車両が急増し、月収十万円程度の運転手もいるという。規制緩和の失敗の代表事例として、タクシー問題が注目された理由だ。

 だが、タクシー運転手の全国平均年収をみると、規制緩和よりはるか以前の1990年代半ばから下降曲線を描いてきた。その後06、07年の二年はやや上向き、足元は再び厳しさを増しているようだ。

 ここから読み取れるのは、規制緩和とは関係なく、景気が落ち込めばタクシー運転手の収入が減り、景気が上向けば収入も上がるという当然の相関関係だ。運転手の待遇悪化を問題にするなら、景気の浮揚こそが政府が取り組むべき課題だろう。

 業界の自助努力も欠かせない。供給過剰は無理な増車に走った業界が招いた事態である。これを解消するには、身を削るリストラか、需要を増やすための営業努力が必要だが、その取り組みは十分だったのか。

 自分の責任は棚上げし、苦しくなれば規制強化や値上げを政府に求めるのでは、利用者の理解は得られまい。運転手の待遇改善についても、労使の協議でできることはまだ残っているはずだ。雇用状況が厳しくなるなかで、新規参入や増車を制約すればタクシー運転手への転職という選択肢を閉ざすことにもなる。

 国交省は「規制強化はあくまで例外措置で、原則は自由競争」としている。以前のような業者保護行政に立ち戻ることのないよう強くくぎを刺しておきたい。

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2008年6月19日 (木)

自民PT 特別目的会社で資金調達

 国の重要課題を議論する自民党の国家戦略本部(本部長・福田康夫首相)の専門プロジェクトチームがまとめる提言内容が明らかとなったもよう。日経より。

 国が設立した特別目的会社(SPC)を通じ民間資金を集め、公共性の高い事業に重点投資する制度を、09年度を目処に新設するとのこと。財政難でも社会資本整備を進める資金源としたい意向。投資家は施設の収益などから配当を得る、としています。

 新制度は国が事業ごとにSPCをつくるのが特徴と言います。対象となる事業には、①バイオエタノール原料を大量生産する農場②風力・地熱発電などを組み合わせた環境負荷の少ない発電・蓄電施設③備蓄倉庫にも使える災害時に強い都市部の大深度地下開発-などがある、としています。

 事業が失敗すれば投資した資金が戻らないリスクもあるため、投資家保護のために政策金融機関が新型証券の一部を保証することも検討するようです。

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自民・連合 2年ぶり政策協議

 日経より。民主党の支持団体の連合(高木剛会長)と自民党との政策協議が再開する見通しとのこと。連合側が要請、自民が応じた、とあります。自民は谷垣政調会長、連合は古賀事務局長が出席するもよう。協議は小泉政権下で定期的に開いていたが、労組に厳しい姿勢を示した安倍政権の発足で途絶えていたそうです。

 【後日記】『所得税最高税率 引き上げを要望 連合、財務相に』(2009/10/1日経より転載)

 連合の古賀伸明事務局長は30日、衆院議員会館に藤井裕久財務相を訪ね。2010年度税制改正に関する要望書を提出した。所得格差を是正するため、税制の所得再分配機能を強化するよう要請。具体的には所得税の最高税率を引き上げて累進性を高めることを提案した。一方で、課税最低限に満たない低所得者向けに、給付付き税額控除を検討するよう求めた。

 このほか、税の徴収の公平性を高めるため、個人の所得額を把握する納税者番号制度を導入するよう提言した。

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2008年6月18日 (水)

著作権制限 年度内に結論

 政府の知的財産戦略本部(本部長・福田康夫首相)が決定する「知的財産推進計画2008」の概要が明らかになったそうです。日経より。

 教育や研究など公正な理由があれば無許可で著作物を利用できるよう著作権を制限する「フェアユース規定」の導入検討など、著作権法の見直しについて2008年度中に結論を出す方針を明記したそうです。

 フェアユース(公正利用)・・・教育や批評、研究目的など、公正な利用法であれば、権利者の許諾を得ずに著作物を利用しても著作権侵害にならないという概念。米国の著作権法にはこの規定があるが、日本の著作権法には同様の規定がなく、利用の度に権利者の許諾を得る必要がある。

 【後日記】6/19の日経から部分抜粋、転載。
 iPS細胞研究では、京都大学を中心とする知的財産権管理活用会社に他の大学や研究機関も参加し「オールジャパン体制」に早期に移行する目標を示した。

 【後日記】6/20日経。情報通信審議会(総務省の諮問機関)の専門委員会は、地上デジタル放送番組の複製制限を現在の一回から十回に緩和する「ダビング10」について、近く開始することを決めたそう。テレビ局と電機メーカーで構成するデジタル放送推進協会が最終決定に動くもようです。

 【後日記】『特許申請書類 完成度を点検』

 米IBMが、特許書類の完成度を測るチェックリストを、東大や米コロンビア大、独ミュンヘン大と共同開発するようです。企業は出願前に書類の不備や弱点を洗い出すことができ、登録を目指す特許が将来無効となるリスクを減らせるそうです。IBMは訴訟などのコスト圧縮にもつながると見ており、世界の企業などに無料で利用を呼び掛ける、としています。7/12日経より。

 特許法・・・「発明の保護および利用を図ることにより、発明を奨励し、産業の発達に寄与する」のが目的の知的財産保護制度。特許を受けられる発明は①産業上利用できる②今までにない「新しいもの」である③先に出願されていない--などを満たしている必要がある。権利を取得した人や企業は発明を独占的に利用でき、利用者は許諾を得なければならない。
 特許の権利は出願から20年続く。他者の特許を無断で利用して製品を製造・販売すると、権利侵害に問われて差し止め請求や損害賠償請求だけでなく、刑事罰の対象にもなる。いまの特許法は1960年に施行された。 (日経2009/1/5用語解説転載)

 【後日記】『映像のネット配信 どうする権利処理』(日経11/17より要約)

 内閣の知的財産戦略本部がまとめた「デジタル・ネット時代における知財制度の在り方について」。同報告書の骨子は、①日本は放送番組のネット配信が他の先進国に比べて遅れている②原因のひとつは配信側と著作権者側との契約慣行が浸透しておらず、ネット配信するための権利処理が難しい点にある③今後は契約による権利処理の進ちょく状況を踏まえつつ、法的対応の検討を進めるべきだ-となっている。

 学者や経営者らでつくる「デジタル・コンテンツ法有識者フォーラム」がぶち上げたネット法とは、放送番組などをネット配信する権利を放送局などに強制的に集約し、面倒な権利処理を不要とする一方で放送局などには権利者への公正な報酬の配分を義務付けるというもの。現状、放送局はテレビ放映を前提に俳優や音楽関係者に出演を依頼しており、ネットで再送信するには、改めてすべての関係者の了解を得る必要がある。

 政府はコンテンツ産業の飛躍的な拡大を目指している。経済産業省は、2015年までにコンテンツ市場を04年実績(十四兆円弱)から五兆円拡大する目標を掲げているが、07年までほとんど増えていない。ネット法の推進グループには「このままではコンテンツ立国の好機を逃す」との危機感が強く、早期に議員立法で国会提出することを目指している。

 【後日記】『米訴訟手続き支える 技術情報の漏れ防ぐ』(2009/1/1日経より転載)

 「日本企業の重要な情報が国外で流出しているのに気が付いた」--。米国の民事訴訟で「ディスカバリー」と呼ばれる証拠提出手続きを支援するUBICの守本正宏社長は言う。

 ディスカバリーは、訴訟当事者が広く情報を集めるため相手方に証拠資料を要求できる制度。その重要な手続きを日本企業側で支えているのがUBICだ。

 米国で特許侵害などを訴えられた日本企業は通常、米国の弁護士に代理を依頼。弁護士はディスカバリーで、社員の書類から電子メールまで膨大な量の情報提供を求める。だが、そのまま法廷に出せるわけではない。解析して分類したうえで訴訟にかかわる個所を抽出、裁判所指定の形式に整える過程では、情報分析の専門会社が必要になる。

 しかし、ここに問題があった。従来、こうした会社が日本国内にほとんど存在しないため、米国の情報ベンダーが企業からパソコンなどを運び出したり、企業自ら複製したデータ類を米国へ送ったりしていた。企業は弁護士の存在しか認識していないが、実際には解析の孫請け会社や翻訳業者など、米国側の多くの人に情報が渡っているのだ。

 特許訴訟であれば、特許の範囲などを明らかにするため、送られる情報はまさに製品の構造や独自技術の中枢にかかわる。それが「暗号も解除した無防備な状態で流通してしまっていた」と守本社長は指摘する。

 日本企業の知財防衛という観点からもメリットがあると考え、三年余り前からUBICは都内本社内のラボで、情報解析の受注に力を入れ始めた。

 作業員の指紋認証から始まる厳重な管理体制はもちろんだが、何より「情報の詰まったサーバーなどを国内にとどめられることが肝心」。弁護士は米国からセキュリティーの高い方法でアクセスして閲覧する仕組みだ。生の情報を海外に出すより、情報流出リスクは極めて低いという。

 日本語の情報を分析するうえで言語の壁もないため、「作業がより的確で時間やコストも減るので企業の負担が軽くなる」という。

 多くの日本企業が毎年米国で特許訴訟に巻き込まれる。訴訟手続き段階から求められる知財防衛策。そこにもまた日本の技術と知恵が生かされている。

 【後日記】『途上国向け知財保護基金』

 世界税関機構(WCO)はブリュッセルに本部があり、約百七十カ国が加盟。財務省は月内にも、知財保護に特化した基金をWCOの「関税協力基金」の一部として設置し、約二億円を拠出する。2009年度以降も継続して資金を出す。米国や欧州各国にも資金の拠出を呼びかける。

 WCOは09年一月一日、財務省出身の御厨邦雄氏が事務局長に就任した。基金は途上国の税関で輸出入品の検査をする職員の研修に活用する。具体的には今後、WCOのスタッフや日本など先進国の税関職員を途上国に派遣。偽ブランド品やメーカーを偽装した製品の特徴や種類、取り締まりの方法などを教える。

 以上、日経2009/1/4より要約。

 【後日記】2009/1/11日経より抜粋。

 芸能プロダクションの業界団体、日本音楽事業者協会(音事協、東京・渋谷)は日本のドラマを海外向けにネットで無料配信する実証実験を十三日に始める。人気タレントが出演するドラマに五カ国語の字幕を付け、動画共有サイトのユーチューブに配信する。経済産業省の委託事業として実施するもので、日本の映像コンテンツをネット配信して海外から広告収入を得る新たな事業モデルを探る狙いだ。

 音事協に加盟するホリプロやワタナベエンターテイメント(東京・渋谷)など国内の主要芸能プロダクションから協力を得た。プロダクション二十三社に所属するタレントや歌手四十二組が出演するインターネット向けドラマ「恋のパラドラ」を製作。英・中・韓・スペイン・ポルトガル語の字幕を付けて配信する。期間は十三日から三月三十一日まで。

 【後日記】『データセンター 国内誘致へ優遇策』(2009/1/26日経より抜粋)

 総務省は、インターネット関連企業のデータ管理センターを日本国内に設置できるようにするため税制上の優遇措置を柱とする総合的な対策の検討に入る。日本語のサイトなどを運営しながらも、米国をはじめとした海外に拠点を置く例が多いため、日本国内に誘致する仕組みをつくるのが狙い。

 総務省は二月に有識者で構成する会議を省内に設置して検討に着手し、夏をめどに中間報告をまとめる。また著作権法についても提言の幅を広げる。サーバーに画像や文章を保存しておくと日本の著作権法では違法な複製とみなされる恐れがあるため、データ管理に限っては免責が適用されるよう求める。

 【後日記】2009/1/27の日経によると、文化庁が社会的に必要性が高ければ著作権者の了解を取らず音楽や文章などの二次利用ができるよう、「フェアユース(公正利用)」の規定を著作権法に盛り込む検討に乗り出すそうです。規定ができると、インターネットの検索サービスなどが展開しやすくなるといいます。早ければ二月末から文化審議会の法制問題小委員会で議論を始め、一年かけて結論を出す予定とのことです。

 フェアユース(公正利用)・・・米国の著作権法にある規定。著作権者に許可を得ずに作品を利用できる四要件を定めている。著作物の①使用目的②使用量③創造性④権利者の被害の程度--が基準。争いがあれば公正利用にあたるかどうか裁判所が判断する。英国にも「フェアディーリング」という批評や報道など目的の公正さを要件とする同様の規定がある。

 【後日記】『特許の国際出願件数 中国企業、初の首位』(2009/1/28日経より抜粋)

 世界知的所有権機関(WIPO)が二十七日に発表した2008年の特許の国際出願件数(速報値)で、中国通信機器大手の華為技術が中国企業として初めて首位に立った。07年に日本企業で初の首位となったパナソニック(旧松下電器産業)が二位に転落し、一年でその座を譲り渡した。中国は国別の件数ではまだ六位だが、前年比11.9%と急伸しており、「知的財産大国」に脱皮しつつある。

 日本勢ではトヨタ自動車が六位から四位にランクアップして健闘した。ただ、国別の伸びは前年比3.6%増にとどまった。

 中国ではコピー製品のはんらんが続き、二十六日には世界貿易機構(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)が知的財産権の保護が不十分との報告書をだしたばかり。ただ、WIPOは「華為技術は高い技術力を持った洗練された企業」と高評価。

 【後日記】『10ヵ国で「世界共通特許」』

 十カ国が始める新制度は、ある国で特許の取得が可能と判断された発明について他国でも早く審査を受けられるようにする枠組み。現在は例えば日米間の場合、日本の特許庁が発明審査で活用した情報を米の当局に提供し、日本企業が米国で特許を取りやすくなるよう協力している。新制度では二国間の枠組みを多国間に広げる。

 参加するのは日米独英のほか、カナダ、オーストラリア、韓国、シンガポール、デンマーク、フィンランドの十カ国。この十カ国での特許出願件数は世界全体の件数のうち66%を占める。

 各国の特許庁が「世界共通特許」を目指して審査基準を統一する世界知的所有権機関(WIPO)の条約交渉は、先進国と途上国の対立で実現が難しい。

 日経2009/2/4より要約。

 【後日記】『ドメイン名紛争 2年連続最多』(2009/3/17日経より抜粋)

 世界知的所有権機関(WIPO)は十六日、インターネット上の住所に当たるドメイン名を巡る紛争が2008年に前年比8%増の二千三百二十九件となり、二年連続で過去最高を更新したと発表した。特定の企業や商品名を勝手に使ったドメイン名の登録が増え、企業が紛争処理制度を持つWIPOに相次いで訴えを起こしているためだ。

 ドメインを管理している米民間機関のICANNは今年後半、「com」のように世界中で使える新しい末尾をつくり、登録を受け付ける予定。WIPOは新しい末尾を使った不正登録で、「紛争が一段と増える懸念がある」と警戒する。

 【後日記】『特許の早期審査カナダと試行へ 特許庁、来月から』(2009/9/22日経より転載)

 特許庁は21日、特許の審査情報を2国間で共有し早期審査を可能にする「特許審査ハイウェイ(PHP)」を、10月からカナダと試行開始することで合意したと発表した。日本からカナダへの特許出願件数は2007年に2265件で、国際出願先としては第6番目。日本とのPPH締約は11カ国目となる。PPHは一方の国で認められた特許の審査情報を他方の国で参照することで、出願から審査が始まるまでの期間を現状の27カ月から2~3カ月に短縮できる。

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2008年6月15日 (日)

鹿島・大成など大手ゼネコン 公共工事費上積み要請へ

 契約後の公共工事の費用上積みが認められるのは、第二次石油危機時の1980年以来、二十八年振りだそうです。今後は中堅や中小の建設会社にも同じ動きが広がると見られます。昨日の日経より。

 国交省が「単品スライド条項」発動に踏み切ったのは、最近の鋼材類や燃料油の上昇が、「価格競争力に乏しい中小建設会社の収益を圧迫し倒産などを招く」と判断したからだそうです。あいまいだった発動基準を工事費全体の1%を超えるコスト増分と定め、建設会社側にも一定の負担を求める形にしたと言います。ただ、同条項は資材価格の下落は想定しておらず、デフレで資材価格の下落が続いた際は建設会社がその分を実質的な利益として得た形。建設会社のコスト削減努力を促しつつ、公共工事の価格をより適正な水準に調整できるルールづくりが求められそうだ、としています。なお、国が発注する公共工事は年間二兆円程度で、国交省によれば今回の条項発動で国の支払代金は今年度分で百億円程度増える見込み。

 単品スライド条項・・・国と建設会社の「工事請負契約書」に盛り込まれている条項。契約後、公共工事で使う資材価格が急上昇した場合に、工事代金を上乗せできるようにする。昭和五十年代の第二次石油危機がきっかけ。1980年度に「特約条項」を設けて工事代金を引き上げた。その後、契約書に単品スライド条項を盛り込むようになったが、運用基準が不明確で発動実績はなかった。なお、建設業者を保護する条項には、他に、工期一年以上の大規模な工事を対象に、資材価格や人件費など幅広く補てんする「全体スライド条項」などがある。

 【後日記】6/17の日経によると都も自治体では初めて同条項を発動するもよう。第二次石油危機時の1980年以来、二十八年振り。

 【後日記】6/18の日経記事には、浜松市に基盤を置く建設会社シーン・メイキング(東京・千代田)が、全国の中堅・中小ゼネコン(総合建設会社)が持つ有力なテナント情報や物件情報を共有するネットワークを構築した、とあります。全国規模の営業力を持たない中小が連携、弱点を補完し、取引先の拡大や公共工事依存からの脱却を目指す、としています。現在の加盟百社弱から来年中には二百社を目指すそうです。例えば、ある飲食店が他県に出店を希望する場合、その地域に強い加盟企業が発掘した最適な物件を紹介することによって、従来は全国展開する大手ゼネコンに奪われていた仕事を取り込める、としています。

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2008年6月14日 (土)

最高裁判所 NHKが逆転勝訴 取材先の「期待権」認めず

 昨日の日経記事より。従軍慰安婦問題を取り上げたNHKの番組に取材協力した市民団体が「政治家の圧力で番組内容が改編され、期待と信頼が侵害された」としてNHKなど三社に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で最高裁第一小法廷(横尾和子裁判長)は「取材を受けた側の期待や信頼は原則として法的な保護対象にはならない」との初判断を示したそうです。ただし、取材対象に格段の負担が生じ、必ずある方向で取り上げるとの説明があったケースでは、例外的に期待権が認められる余地もある、としています。NHKが政治家の圧力で番組内容を改編したかどうかについては判断しなかったそうです。

 妥当なとこでしょうね。判決に関係ない感想を無駄に述べるもんじゃありません。特に政治判断は尚更いけません。戦後補償裁判とかね。以前読んだ新書で『司法のしゃべりすぎ』(井上薫)ってのがあって弊害を指摘していました(良い本です)。それはそうと、慰安婦や南京を持ち出すまでもなく朝日の捏造は凄まじいものがあるので今更何を言っても信用ゼロでしょう。そう言や、KY事件なんてのもありましたね。NHKも好きではありませんが朝日は別格。

 NHK番組改編問題・・・日本とアジア各国の非政府組織(NGO)が00年十二月、民間法廷「女性国際戦犯法廷」を開催。NHK教育テレビは01年一月、シリーズ「戦争をどう裁くか」の二回目に、民間法廷を取り上げた番組を放送したが、取材に協力した市民団体「『戦争と女性への暴力』日本ネットワーク」は、法廷をつぶさに取り上げるとの事前説明と異なる内容だとして、NHKと製作会社二社に賠償を求め提訴した。控訴審中の05年一月、朝日新聞が「政治的介入で改編された」と報道したが、NHKは否定、激しい論争となった。

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2008年6月13日 (金)

帰宅困難者支援 モスフードと8都県市が協定

 東京、神奈川、千葉、埼玉の四都県と横浜、千葉、川崎、さいたまの四政令市がモスフードサービスと災害時に帰宅困難者を支援する協定を結んだそうです。昨日の日経記事。八都県市はコンビニエンスストアなど13社と協定を結んでおり、今回の締結で支援ステーションの店舗数は約13600となるそうです。

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2008年6月12日 (木)

問責決議

 日経の用語説明から要約。

 首相や閣僚らの責任を明らかにするため主に野党が参院に提出する。提案者の他10人以上の賛同が要件。初期の警告決議案などを含め参院で首相に31回、閣僚に72回提出された。可決されたのは98年の額賀福志郎防衛庁長官(当時)の一回のみ。法的拘束力はないが政治的影響は無視できず、額賀氏は可決の一カ月後に辞任した。一方、衆院に提出する内閣への不信任決議案や信任決議案は憲法69条に基づく。不信任決議が可決、または、信任決議案が否決された場合、10日以内の衆院解散がなければ総辞職しなければならない。

 表が掲載されてますね。01年森首相、02年小泉首相、07年安倍首相の時は否決ですね。

 今日の社説では、『問責決議可決の政治的影響は決して小さくない』としながらも、『解散のない参院には内閣の進退を問う機能はない。野党多数の参院で首相問責決議を可決して衆院解散や内閣総辞職を要求するのは筋違いだろう』としています。

 私が一番好きな政治家は安倍さんで、福田さんが総理になった時は随分がっかりしましたが、最近は『福田さん、頑張ってるなー』って思いますね。

 内閣不信任決議案・・・内閣への不信任決議権は衆院だけに認められている。憲法69条は、衆院で不信任決議案が可決、または信任決議案が否決されたとき、内閣は10日以内に衆院を解散しない限り、総辞職しなければならないと定めている。発議には議員50人以上の賛成が必要。議長に提出し、院の構成に関する案件を除き最優先で審議する慣例だ。
 現行憲法下で不信任決議案の可決を受け衆院が解散されたケースは4回。一方、首相や閣僚らの責任を明らかにするため参院に提出する問責決議案は、可決されても不信任決議のような法的拘束力を持たないが、有権者へのアピール効果は大きい。(2009/7/14日経より転載)

 内閣不信任決議案が可決された例

1948年12月・・・吉田茂内閣

  53年3月・・・吉田茂内閣

  80年5月・・・大平正芳内閣

  93年6月・・・宮沢喜一内閣

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2008年6月 6日 (金)

日本国籍の要件は Q&A

 昨日になってしまいましたが日経に簡潔なQAが載っていましたので一部抜粋します。

 Q.父母が結婚していなくても子が日本国籍を取得できるケースは。

 A.父母が日本人なら婚姻に関係なく日本国籍が取得できる。父が外国人でも、母が日本人なら分娩によって親子関係が明確なため、同様だ。父が日本人、母が外国人の場合には、子どもが生まれる前に父が認知すれば、婚姻によらず日本国籍が得られる。

 Q.母が日本人なら、外国人の父の国で生まれた子も日本国籍が取得できるのか。

 A.日本に住んだことがなくても日本国籍を得ることはできる。日本は出生地ではなく、親子のつながりで国籍を付与する制度だから。

 Q.父母に結婚できない事情があるケースでは、子は日本国籍が得られなかったのか。

 A.その場合、子が日本に帰化することで日本国籍を取得することはできた。帰化の条件も緩和措置がある。

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2008年6月 5日 (木)

「医薬品庁」創設など提言

 日経によれば、自民党の国際競争力調査会(会長・尾身幸次前財務相)は、薬事行政を一括して担う「医薬品庁」の創設などを盛り込んだ政府への提言をまとめたそうです。

 公的年金積立金の運用弾力化や日本版政府系ファンド設立の検討も明記。近く首相らに提出し「骨太方針2008」に反映するよう求める、としています。

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2008年6月 3日 (火)

信用保証協会 トップの9割 自治体の天下り

 本日の日経によると、全国52の信用保証協会の会長や理事長ら経営トップの九割以上が地方公共団体からの天下りであることが、経産省の調べで分かったそうです。常勤役員に占める割合でも四割だったそうです。

 ついでに経産省の天下りも公表して欲しいものです。

 【後日記】『橋本行革が残した宿題』
 7/27日経コラム「風見鶏」から丸々転載します。

 二十二日に都内のレストランで「立花宏さん激励・慰労の夕べ」というパーティーが開催された。

 立花氏は日本経団連の生え抜きで、長年、民間の立場から行政改革や規制改革に携わってきた。五月に専務理事を退任して参与になったので、慰労会として企画された会だった。

 ところが政府内の調整が迷走した末に、国家公務員制度改革推進本部の事務局長に白羽の矢が立ったために、「ご苦労さん会」から「壮行会」に会の趣旨が変わってしまった。

 前通常国会で国家公務員制度改革基本法が成立したのを受けて、推進本部は今後の制度設計や法改正などの実務を担う。事務局次長として松田隆利前総務次官と岡本義朗三菱UFJリサーチ&コンサルティング主席研究員が支える異例の布陣となった。

 パーティーには渡辺喜美行政改革担当相、菅義偉前総務相、塩川正十郎元財務相らが顔を見せた。渡辺氏は「行革に関しては私なんか小僧っ子のようなもの」とあいさつした。

 パーティーは立花氏も深く関与した橋本行革の同窓会のような雰囲気だった。当時、行政改革会議の事務局長を務めた水野清元建設相は「橋本内閣で公務員制度改革をやろうとしたが、大したことはできなかった」と振り返り、自民党側でかかわった柳沢伯夫前厚生労働相は「橋本行革の延長線上の仕事に最もふさわしい人」とエールを送った。

 橋本行革は中央省庁の再編や内閣機能強化などの成果を残した。今では忘れ去られているが、実は省庁再編とセットで公務員制度改革も柱の一つだった。

 1997年十二月にまとまった行政改革会議の最終報告を読み返してみる。公務員制度改革の項には、新たな人材の一括管理システム、能力・実績に応じた処遇の徹底、労働基本権のあり方の検討などの文言が並ぶ。いずれも基本法の問題意識に通じる。

 再就職管理のための人材バンク導入のように、昨年成立した改正国家公務員法で動きだしたものもあるが、橋本行革から十年余りの時を経て、ようやく基本法が成立したともいえる。公務員制度改革の歴史は、官僚のサボタージュの歴史でもある。

 推進本部がまず取り組まなければならないのは、基本法に盛られた内閣人事局の制度設計だ。来年の通常国会までに内閣法など関連法の改正が必要になる。

 内閣人事局は幹部職員の一元管理などを担い、内閣官房に置くことになっている。政府案では内閣人事庁を新設する構想だったが、民主党の主張を受け入れ、修正された。

 内閣人事局長は日銀総裁のような中立性を持たせるのか、政務の官房副長官のような政治性を重視するのか。人事データの一元化をどう進めるのか。幹部職員の公募の仕組みは・・・。人事局の設計だけでも論点は尽きない。

 推進本部には労働協約締結権を付与する範囲などを検討する「労使関係制度検討委員会」などの有識者会議も設けられる。長年の懸案の労働基本権拡大問題に決着をつけなければ、公務員制度改革は再び絵に描いたもちになりかねない。

 立花氏は公務員制度改革を「橋本行革の積み残し」と評する。任命権者の福田康夫首相には「この問題は曲折を経てきたので、総理が断固やり抜くというにらみをきかせてもらいたい」と要請したという。

 内閣人事局の生みの親の民主党の責任も重大だが、霞が関の抵抗で進まなかった公務員制度改革の歯車が回るかどうかは、首相のやる気にかかっている。(編集委員 西田睦美)

 内閣人事局・・・六月に成立した国家公務員制度改革基本法で、内閣官房への新設が明記された。中央省庁の幹部人事の一元管理に向けて、官房長官による候補者の名簿作成や適格性審査などの事務局となる。現在の幹部数は「次官・局長級」が約280人、「審議官級」が約690人、「本省課長級」が約2600人。対象範囲などは今後詰め、来年の通常国会に関連法案を提出する運びだ。(11/4日経より転載)

 【後日記】『公務員改革の有識者会議 経済3団体トップ起用』

 政府は国家公務員制度改革推進本部に設置する「顧問会議」のメンバーに日本経団連の御手洗冨士夫会長、経済同友会の桜井正光代表幹事、日本商工会議所の岡村正会頭を起用する方針を固めたそうです。また、高木剛連合会長もメンバーに加えるとしています。同顧問会議は十五人程度で構成する見通しといいます。日経8/3より。

 【後日記】『天下り41%、なお高水準』

 政府が公表した国家公務員の再就職に関する調査結果によると、2008年八月までの一年間に退職した中央省庁の課長・規格官級以上の職員千四百二十三人のうち、許認可などで各省庁と関係の深い独立行政法人や特殊法人、認可法人、公益法人(財団・社団)に再就職したのは、前年比六十七人増の五百九十人だったそうです。全体に占める割合は前年比0.8ポイント増の41.5%で「天下り」がなお高水準にあることを浮き彫りにした、とのことです。日経12/26より。

 【後日記】『行改 相次ぐ後退』(日経12/23から転載)

 国家公務員の再就職を一元管理する「官民人材交流センター」発足後も中央省庁による公務員OBの再々就職あっせんが続くことが明らかになり、波紋を広げている。公益法人などへの天下りを繰り返して多額の退職金を得る「渡り」を容認することにつながりかねない。行政改革の後退が相次ぐ中、小泉改革継承をうたう自民党内の勢力からも批判が出始めた。

 同センターは中央省庁による天下りあっせんを禁じ、再就職支援を一元管理する組織として2007年の国家公務員法改正で新設が決まった。三十一日付で発足する。

 政府は十九日の閣議で発足日などを定める政令を決定。この中で、各省庁は三年間の経過措置で認められている公務員の就職あっせんだけでなく、企業に再就職したOBの再々就職支援ができることまでが記された。

 だが、07年末、センターの制度設計に関する政府有識者懇談会はセンターの再々就職支援を禁じるとともに、各省庁も「二回目以降の再就職あっせんを行わない」との報告書を発表。今年五月の衆院内閣委員会では、当時の渡辺善美行革相が同時報告書を政令で尊重すると答弁していた。

 政府関係者は十九日付の政令決定に「『渡り』にお墨付きが与えられた」と語りこれまでの流れを覆す内容と認める。自民党の中川秀直元幹事長は二十一日の民放番組で批判の口火を切った。

 「麻生内閣がどうなってもいいのか」二十二日の自民党行政改革推進本部で渡辺氏がこう批判。厚生労働省所管の独立行政法人雇用・能力開発機構の存廃問題を巡って紛糾した。

 福田内閣下の茂木敏充行革相は廃止・解体方針を推進した。だが、甘利明行革相と桝添要一厚労相の合意は厚労省所管の他の独法への統合。二十二日は最後に中馬弘毅行革本部長が「独法を一つ減らしたことは評価できる」と場を収めた。

 相次ぐ行革後退に批判を強めるのは、いずれも小泉改革路線の継承を重視する議員。ただでさえ目立ち始めている「改革派」と政権の距離が、行革問題などで一段と広がりかねない雲行きだ。

 【後日記】『谷人事院総裁「ミスター渡り」の異名 メディア操作し組織防衛』
 産経ニュース(2009.2.3 21:49)より転載。

 「内閣人事・行政管理局」への機能移管をめぐり、政府と徹底対立した人事院。そのトップである谷公士(まさひと)総裁は平成13年に郵政事務次官を退任後、財団法人などを渡り歩いてきた人物で、政府・与党内からは「ミスター渡り」との声も出ている。その組織防衛への執念は徹底しており、今後も法案作成過程での抵抗をにじませる。人事院が得意とするメディアや政界への説得工作術とは-。

 「私は人事院を代表し、人事院の立場に今後もご理解いただけるように努力するつもりです」

 3日朝、国会内で開かれた政府の公務員制度改革推進本部で人事院の機能移管が決まったが、谷氏は余裕の表情を見せた。

 谷氏は昭和39年に郵政省に入り、平成10~13年に郵政事務次官を務めた。退官後は同省所管の財団法人「郵便貯金振興会」(現ゆうちょ財団)理事長へ天下りし、同時期にさらに2つの財団法人の理事長を兼任。15年6月には有料CS放送の関連会社会長となり、16年4月に人事官に就任、18年4月から人事院総裁を務めている。

 長く折衝してきた甘利明行政改革担当相は「あんな不(ふ)遜(そん)な官僚は見たことがない」と憤りを隠さない。甘利氏が話をしようとしても、谷氏は「事務方と同じ見解ならば会う必要はない」と面会を度々拒否。交渉過程では、甘利氏との電話での会話を無断で録音するなど抵抗戦術を続け、「われわれを総務省や財務省などと同列にしないでほしい」と言い放ったという。

 谷氏が強気の姿勢を崩さない背景には、人事院の特殊な身分制度がある。総裁を含む人事官3人は弾劾裁判でなければ罷免されず、閣僚の意向を気にする必要はない。加えて人事官は国会同意人事なので、総裁が辞任すれば新たな人選は困難を極める。

 メディア対策も秀でている。甘利氏との直接折衝の度に、谷氏らは担当記者に入念な説明を行い、人事院側の主張を展開。3日の決定までに計5回の記者ブリーフを行ったほか、論説委員へも説明会を続けた。

 また、昭和28年以降、人事官3人のうち1人は報道機関の幹部経験者の指定ポストで毎日、朝日、読売、NHK、日経の退職幹部が歴任してきた。閣僚経験者は「抱き込まれた報道機関が人事院を批判できるわけがない」と打ち明ける。

 谷氏は4日朝、民放情報番組への生出演を決めた。いよいよ反撃ののろしを上げたといえるのではないか。(田中靖人)

 【後日記】『省庁あっせん廃止政令案』(2009/2/21日経より転載)

 政府は二十日、国家公務員の再就職とOBの再就職の省庁あっせんを2009年末に廃止する政令案をまとめた。三月二十三日までの意見募集を経て三月末に閣議決定する。

 改正国家公務員法は再就職あっせんに関し、官民人材交流センターに一元化するまでの最大三年間は省庁による個別あっせんを容認していた。この一元化までの経過期間を三年から一年に短縮する。

 【後日記】『あっせん天下り 07年度は305人に』(2009/2/3日経より転載)

 2007年度に省庁のあっせんで民間企業や公益法人などに再就職した国家公務員(本省の課長・企画官級以上)が少なくとも三百五人に上ることが明らかになった。民主党が総務省人事・恩給局に依頼した調査結果で判明した。省庁別で最も多いのは経済産業省の六十六人。再就職後に再々就職をする「渡り」もほかに三人いた。天下り調査は人事院が実施しているが、営利企業への再就職などに限っている。総務省調査は対象を広げた。

 【後日記】『公益法人改革』(2009/2/6日経より転載)

 主務官庁や都道府県が社団法人や財団法人の設立を許可する制度を2008年十二月に廃止し、誰でも登記で財団・社団を設立できるように見直した改革のこと。一部の公益法人が主務官庁と癒着し、天下り先になっている弊害を是正するのがねらい。税優遇を受けられる公益性については第三者機関が認定する仕組みに改めた。公益性を認められない法人は「一般社団法人」「一般財団法人」になる。

 【後日記】『あっせん天下り1600人超』(日経2009/2/7より転載)

 2006-08年の三年間に省庁のあっせんで民間企業や公益法人などに再就職した国家公務員(幹部のみ)が、少なくとも千六百三十七人に上ることが明らかになった。民主党によると、総務省人事・恩給局の調査結果で判明した。省庁別で「天下り」が最も多いのは国土交通省で二百九十八人。省庁などからの再就職者が五代以上続いている独立行政法人などは、六十四法人、六十九ポストに上っている。

 【後日記】『公益法人の役員 103ポスト、天下り「5代以上」』(2009/2/25日経より転載)

 官僚OBの再就職先について、五代以上にわたって「天下り」が続き、特定省庁の指定席となっている公益法人などが九十四法人、百三ポストに上ることが二十四日、明らかになった。総務省人事・恩給局が民主党に示した今月二十日時点の調査結果で判明した。

 【後日記】『公務員改革関連法案 閣議決定 メド立たず』(2009/3/11日経より転載)

 中央省庁の幹部人事を一元管理する「内閣人事・行政管理局」の新設を柱とした国家公務員制度改革関連法案の閣議決定がずれ込んでいる。機能の一部移管を求められている人事院と、甘利明行政改革担当相の調整がつかないためだ。政府案には民主党だけでなく、自民党内からも批判があり、決着の見通しが立たない状況だ。

 内閣人事・行政管理局は各省の人事行政機能を一元化して2010年四月をめどに設置する予定。人事院、総務省などから機能を移管し、中央省庁幹部の人事を一括管理し、国の行政組織全体の組織管理にあたる。人事院から給与ランク別の定数を定める「級別定数」機能のほか「任用」「試験」「研修」の企画立案機能など人事院機能の大半を移す。財務省の総人件費の基本方針の決定権限もあわせもつ。

 人事院は谷公士総裁を先頭に強く反対している。行革相は十日の記者会見で「もう少し時間をかけたい」と述べた。

 自民党内では中川秀直元幹事長が政府計画で二年目に予定している給与制度改革の前倒しを主張。塩崎恭久元官房長官は総務省の行政管理局の移管すら疑問視している。首相官邸も調整に乗り出す機運はない。官房副長官の兼務も検討された内閣人事・行政管理局長も官房副長官補級にするなど、後退もみられる。

 国家公務員制度改革基本法を自民、公明両党と共同修正して成立させた民主党も「基本法の枠を超えた『焼け太り』だ」(松本剛明行政改革調査会長)と批判的。中堅議員は「当初は修正協議も視野に入れたが、民主党政権でつくり直せばいい」と語る。衆院解散・総選挙が視野に入っていることから、今国会での成立は危うい状況だ。

 【後日記】『天下り先狭まり 苦心の「軟着陸」』(2009/5/20日経より転載)

 関西国際空港の会長に国土交通省の岩村敬元事務次官(64)が六月末に就任することが内定した。国交省の幹部職員の天下り先が狭まるなかで「軟着陸」に苦心した跡がうかがえる。

 現在の関空の社長はパナソニック、会長は関西電力といずれも地元有力企業の出身で、新社長の福島伸一氏(60)もパナソニック副社長。実は岩村氏は昨年九月から関電の顧問を務めており、地元に顔を広げて官僚色を薄めようとした形跡がある。

 関空会長にはこれまで代表権があったが、新会長は外した。村山敦社長(71)は「代表権をつけると天下りといわれる」と釈明した。これは国交省にとっても渡りに船。代表権がない会長人事は閣議了解の対象から外れるためで、天下りに厳しい議員らの目をかいくぐる妙手ともいえる。

 【後日記】『公益法人の44%に天下り理事 内閣府調査』(産経ニュース2009.8.6 21:10より転載)

 内閣府が6日公表した平成20年12月時点の集計で、国が所管する6625公益法人のうち中央省庁から理事が天下りしている法人は2933法人、44・3%であることが分かった。

 前回の19年10月時点(45・4%)より割合はわずかに減ったものの、依然、天下り根絶にはほど遠い実態が浮き彫りになった。

 内閣府は「中央省庁と公益法人の関係の見直しが進んでおり、今後、天下りは減っていく」としている。

 19年度の補助金など国の公益法人に対する支出は総額3260億円で、前年度より264億円減った。支出先は6法人増え969法人だった。

 【後日記】『「天下り理事」 今年度12%減 特例民法法人』(2009/8/7日経より転載)

 内閣府は6日、2009年度の「特例民法法人に関する年次報告」をまとめた。国が所管する6625の特例民法法人のうち、所管官庁出身の「天下り理事」を受け入れていたのは2933法人で、前年度から4%減った。天下り理事の人数は前年度から12%減った。

 特例民法法人は公益法人制度改革に伴い、従来の公益法人が新法人に移るまでの過渡的な組織。年次報告では移行期間が始まった昨年12月1日時点の実態をまとめた。

 内閣府は年次報告とは別に、制度改革の進ちょく状況を公表した。旧公益法人は13年11月末までに、公益社団・財団法人か一般社団・財団法人への移行申請が必要だが、7月31日時点で国・地方会わせて2万4317の旧公益法人のうち、申請があったのは237法人にとどまった。未申請のままだと法人は解散扱いになる。

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2008年5月31日 (土)

短期賃貸マンション 台東区も規制強化

 これも昨日の日経から。
 23区の短期賃貸マンション規制は渋谷区に次いで二例目だそうです。

 台東区では条例でワンルームを含む集合住宅の一戸あたり最低面積を25平方メートル以上と規定していますが、客室面積が十数平方メートル程度の「旅館」として(旅館業法の施行令では一室の面積は7平方メートル以上)短期賃貸マンションを建てながら、実際にはワンルームのように居住させるケースがあると言います。

 既に渋谷区は06年、短期賃貸マンションの建設を規制する条例を施行しており、ラブホテルの新規出店を規制する条例と合わせ、違法な風俗店舗の温床になる恐れがある建物を制限しているそうです。

 ・・・ラブホテルは別に構わない気もするけど。ホテトル嬢が違法だからなんだろうけどさ。

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ポジティブリスト制度

 昨日になってしまいましたが、日経の用語解説から以下にまとめます。

 農薬・飼料添加物・動物用医薬品が一定量以上残留する食品の販売などを禁止する仕組みで、食品ごとに約800の農薬などについて残留基準を設定。基準がないものは一律0.01PPM以下として規制します。制度導入前は約280の農薬などに基準を設け、それ以外は規制の対象外でした(ネガティブリスト)。

 輸入食品は、検疫所での検査、輸入業者が検査機関に委託する自主検査、などがあります。

 【後日記】以下、産経ニュースよりコピペ。

輸入食品の検疫 ずさんな検査実態 2008.5.30 08:14

 輸入食品の検査がかなりずさんであることが総務省の調査で発覚した。

 農林水産省は、全国30カ所の動物検疫所のうち22カ所で、家畜防疫官が自ら抽出しなければならない検体を輸入業者に用意させていた。これは不適切というより、検査そのものの信頼性が疑われる。どんな検査でも言えることだが、抜き打ち検査で初めて、その実態がわかる。どこかに問題があるのではないかと、疑ってかかるから違反が明らかになるのだ。

 違反食品は送り返すか廃棄処分になる。輸入業者にすれば大損である。当然、問題がない検体を持ち込むだろう。吉野家の米国産輸入牛肉に特定危険部位が混入していたとき、若林正俊農水相は「検査システムは機能している」と断言したが、大うそだったということだ。

 また、家畜防疫官らは検査場所まで公共交通機関を使うことになっているが、14業者は社用車で送迎していた。これは癒着である。農水省には、業者に手心を加える土壌があるのではないかと疑われても仕方がない。いったい、いつから誰が認めたのか、責任の所在をハッキリしてほしいところだ。

 一方、厚生労働省は残留農薬などの「モニタリング検査」の検体数を守っていなかった。ナス科類は14%、水産物のレトルト食品は20%。レトルト食品を一切検査しなかった検疫所もある。これは輸入検査偽装といえる。いま、消費者が最も心配しているのが輸入食品の安全性だ。食の安全を所管する両省が、その検査で自ら偽装をしていたのでは話にならない。

 厚労省は約340人しかいない検疫所の監視員を増員する方針だが、それは「今まで以上の検査をするため」ではなかったのか。いったい何人いれば必要とされる検査ができるのか、きちんと把握しているのだろうか。ひょっとすると、現在の規定数を検査するだけでも、数十人の増員が必要かもしれないのだ。おざなりに人数を増やして、大臣が「これで大丈夫」と言っても、それでも現場に無理があると、またウソをつかなければならなくなる。

 農水省も厚労省も消費者の安全を守ることを本気で考えていないということなのだろう。「食の安全」の監督を消費者庁に移管するのは当然のことだ。もちろん、消費者庁が本当に消費者の立場に立って毅然とした態度が取れるということが大前提だが…。(食品問題評論家 垣田達哉)

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2008年5月30日 (金)

旧 五菱会のヤミ金収益 スイスから29億円返還

 昨日の日経によると、暴力団山口組系旧五菱会のヤミ金融事件で、スイス当局が現地の銀行口座から没収した犯罪収益のうち、約29億円が日本側に返還されたそうです。両政府が四月に犯罪収益の半額返還で合意したことを受けた措置とのこと。

 東京地検は06年施行の被害回復給付金支給法に基づき、被害者への分配手続きを進める、としています。被害総額が没収額を超えた場合には被害額に応じて比例分配します。

 外国で没収された犯罪収益が日本に返還されたのは初めてとのことです。

 にしても、暴力団がこの世から消えてなくなれば良いですね。

 【後日記】『犯罪使用疑いの名義人 携帯各社、リスト共有へ』
 6/6の日経によれば、自民党の「振り込め詐欺撲滅ワーキングチーム(WT)」(座長・菅原一秀衆院議員)の会合が党本部で開かれたそうです。それによると、

 携帯電話事業者は、警察からの情報提供を受けて契約者に確認し、名義人本人の使用が確認できない場合は利用を打ち切るなどする方針だそうです。

 同時に、不正利用が疑われる名義人のリストを作って各社間で共有し、契約時の審査に活用するとのこと。

 私も、高齢者には保険料どうのこうの言う前に、暴力団へ何十何百万も資金供給するのを止めて頂きたいと、切に願っています。携帯各社金融機関の無策に責任があります。

 【後日記】6/11の日経によれば暴力団山口組系旧五菱会のヤミ金融事件で最高裁第三小法廷(那須弘平裁判長)は悪質性の高い不法行為の場合は利息と元本の賠償義務があるとする初の判断を示したそうです。同判断はヤミ金融被害に限らず出資金詐欺被害にも適用される可能性があり消費者保護に追い風となりそうだ、としています。
 判決後に記者会見した原告側の弁護士は「ヤミ金融から借りた金は返す必要はなく、支払ってしまった金も全額請求できるという画期的判決。ヤミ金融業者の息の根を止めることができる」と評価したそうです。
 むしろ、ヤミ金融から積極的にお金を借りて返さないのは善行と言えますね。ドブさらいをして百円を拾う感覚ですね。

 【後日記】『悪質商法 規制厳しく』
 改正特定商取引法と改正割賦販売法が成立したそうです。来年末までに施行されるとのこと。6/12の日経から。

 日本訪問販売協会は法施行に合わせ、会員企業がトラブル対応を誤った場合に代わって損害金額を保障する救済基金を創設する意向だそうです。

 全国信販協会は昨年三月に浄水器やエステなど八種類の商品・サービスについて、販売契約の自主ガイドラインを設けたそうです。また、信販会社はトラブルの多い販売業者との取引打ち切りに着手しているとのこと。

 【後日記】同じく6/12の日経から。09年度に創設する「消費者庁」へ移管する主要法律の概要が大筋で固まったそうです。二十本を越える法律を移管・共管し、200人前後の体制で発足の見通し。岸田文雄・消費者行政推進担当相は近く首相に報告し、消費者行政推進会議(座長・佐々木毅学習院大教授)がまとめる最終報告書に盛り込まれる見通しです。

 【後日記】『消費者庁所管は30法令 推進会議、首相に報告書提出』(産経ニュース2008.6.13 10:46転載)

 政府の消費者行政推進会議(座長・佐々木毅前東大総長)は13日午前、福田康夫首相が来年度の創設を表明している消費者庁の具体像を示した報告書を決定し、首相に提出した。消費者庁は他省庁からの移管や共同所管(共管)を含め、30法令を所管する。

 報告書は、消費者庁を内閣府の外局とし、消費者行政担当相を常設。「消費者行政全般の司令塔」として位置づけ、他省庁や業者への強い勧告権を持たせることを盛り込んだ。

 具体的には、賞味期限表示などを規制する日本農林規格(JAS)法(農水省所管)や食品衛生法(厚生労働省所管)といった関連法の企画立案部分の権限を消費者庁に集約。業者などへの検査権限に関する部分も移管し、表示基準の策定から執行まで一体的に担う。

 また、緊急時の物価政策への関与も明示。内閣府所管の物価統制令などを移管する。

 このほか、消費者からの苦情相談窓口を一元的に担い、悪徳業者などから違法収益剥奪(はくだつ)といった被害者救済の新法制定も検討する。

 政府は報告書を受け、今後の法整備などのスケジュールを記した「消費者行政一元化基本計画」を今月中に策定し、経済財政改革の基本方針(骨太の方針2008)に反映させる。さらに消費者庁設置法案を秋に想定される臨時国会に提出し、成立を目指す。

 【後日記】6/17の日経によると、日本証券業協会は三月に施行した犯罪収益移転防止法などに基づき、反社会的勢力との取引を禁じる業界のルールづくりに取り組むそうです。
 また、証券市場を反社会的勢力の資金源にしないよう業界全体で監視体制を強化します。
 日証協、警察庁、金融庁、国内主要取引所などが参加する証券保安連絡会実務者会議が反社会的勢力と認める対象について、日証協がデータ収集・蓄積を行うそうです。
 データベースは09年五月にも整備する情報共有ネットワークの一部として構築するとのこと。野村証券インサイダー事件を受け取引監視のため必要とされる「内部者情報データベース」とともに蓄積情報の柱にする、としています。

 【後日記】6/19の日経によると、世界の情報通信行政を統括するITU(国際電気通信連合)が、サイバー犯罪防止に向けて各国共通の法制度づくりに着手したそう。09年までに策定、加盟191カ国に採用を働きかける、としています。各国の有力情報通信企業など約700社に技術協力を要請しています。

 【後日記】6/20日経。「振り込め詐欺被害者救済法」の施行を目前にして大手銀の体制が拡充しているとのこと。全銀協も周知徹底を図る意向。

 【後日記】6/20日経。日弁連は、消費者問題関連法などについて独自の法案作成をはたらきかける新組織「立法対策センター」を設ける、としています。日弁連会長の直轄組織として約三十人の弁護士で構成するそうです。センター内には「立法対策室」を設置、法案作りを専門とする弁護士を配置するとのこと。当面二人でスタートさせ、将来は民事、税務、刑事、行政訴訟分野などの専門家を計十人程度置く意向です。

 【後日記】6/21日経。預金保険機構は「振り込め詐欺被害者救済法」施行に合わせ、疑いのもたれる預金口座のサイト開示を始めるそうです。

 【後日記】『電気温水器 悪質訪販ご用心』(12/16日経より抜粋)

 全国の消費者生活センターによると、電気温水器の訪問販売に関する相談は2007年度、1343件あり、03年度(200件)の6.7倍に急増した。08年度は上半期だけで688件に上り、昨年同期に比べ八割増えている。

 相談者の平均契約額は約127万円で、IHクッキングヒーターや工事費などを含め、300万円以上に及ぶケースもあった。

 一方、東京電力によると、二酸化炭素(CO2)削減効果などのあるエコキュートの通常の価格帯は給湯専門で60万~75万円、床暖房などの付いた多機能タイプでも最大約100万円程度という。

 訪問販売トラブル全体はここ数年、減少傾向にある。住宅リフォーム詐欺などの悪質業者の摘発が進んだことなどが理由で、07年度の相談は約11万7700件で、03年度(約18万4800件)の三分の二以下にまで減っている。電気温水器を巡るトラブルはこうした中で、特異な動きを見せている。

 国民生活センターは「ほかの商品を扱っていた悪質業者が電気温水器に転換している。購入する際は見積もりを取るなどして冷静に検討し、必要な機能や容量についても確認をすることが必要だ」としている。

 割賦販売法・・・クレジット・信販会社への規則や分割払いのルールを定めた法律。消費者の支払い能力を超える契約をしないことや、契約時の書面交付などを規定している。違反にはクレジットカードの発行禁止などの行政命令を出す。分割払いを利用した高額のリフォーム工事や浄水器などの訪問販売で高齢者の被害が深刻化したのを背景に、訪問販売業者に対する調査義務づけなどを盛り込んだ改正法が2008年六月に成立した。(日経2009/1/8より転載)

 【後日記】12/22日経より抜粋。
 金融庁が金融商品を巡るトラブルから利用者を保護するため、裁判以外の紛争解決(ADR)機関設置を制度化する検討に乗り出した。

 ADRは、裁判に比べて時間や費用をかけず、調停やあっせん、和解などの手段で紛争解決を目指す仕組み。2007年四月からADR促進法で一般的な枠組みが導入された。金融分野では、昨年九月に施行された金融商品取引法で認定投資者保護団体制度がスタート。金融庁が苦情解決を手掛ける団体を認定している。

 金融庁は当面、各業界にADR機関設置を原則義務づけ、それを認定することで中立性・公正性を確保する考えだ。各金融機関には業界ADR機関の利用を求め、ADR機関の出した結果は尊重するよう義務づける。

 業界別ADR機関のしくみでは、いずれの業界団体にも属さないゆうちょ銀行や、ADRが未整備の業界への対応といった問題が残る。こうした金融機関には個別の指導・監督により、他の業界機関の活用を促す。横断的・包括的なADR機関の設立については将来的な課題と位置づけ、今後の展開を見守る。

 【後日記】2009/1/16日経。NTTドコモなど電気通信事業者協会(東京・港)に加盟する携帯電話・PHS各社は、二月以降の新規契約についてコンビニエンスストアなどでの利用料金支払いを中止する方針だそうです。また、個人契約の回線数は原則として最大五回線に制限するとも。

 【後日記】2009/1/30日経。家電量販店などが加盟する全国家庭電気製品公正取引協議会は、チラシの見出しで一割を超える値引き率を掲載する際の自主ルールを設けたそうです。「最大40%引き」などの文言を使う場合、掲載商品の一割以上は該当商品を載せるように義務付けるとのこと。家電量販店業界は安売り競争が激化しており、割引率や割引ポイント与率の数字だけをチラシの目立つ位置に載せることが多いんだそうです。違反した場合は、家電公取協が改善を促し、従わないと違約金を課すとのこと。

 【後日記】『預金口座 不正利用5割増』(2009/3/12日経より転載)

 振り込め詐欺など不正利用された疑いがある預金口座の情報を、金融庁が金融機関に提供した件数が2008年、四千八百七十一件と07年に比べ五割増となった。振り込め詐欺の手口はおれおれ詐欺や還付金詐欺などますます巧妙になっており、関係当局や金融機関は支給が始まった定額給付金詐欺にも警戒を強めている。

 預金口座の不正利用に関する情報提供は、金融庁と全国の財務局などが各金融機関や警察当局向けに実施している。08年十-十二月期の件数は前年同期と比べ三割増の千三百七十七件。同四-六月期以降、四半期で一千件を上回っている。

 金融庁は金融機関への情報提供を通じ、預金取引の停止や強制解約などの対応につなげる狙いがある。03年九月以降の件数は累計で二万一千六百十七件。そのうち金融機関が利用停止にしたのは一万一千五百件、強制解約などは八千二百四十三件にのぼった。

 警察庁によると、08年の振り込め詐欺の被害総額は約二百七十五億九千四百万円。過去、最も多かった04年に次ぐ水準だった。

 【後日記】『「銀行守秘義務」300年 揺れるスイス』(2009/3/17日経より抜粋)

 顧客情報をかたくなに守るスイスの「銀行守秘義務制度」が崩壊し始めた。金融危機による財政悪化で徴税強化に動き出した米国が「脱税の温床になっている」と情報開示を迫り、他の先進各国も同調。スイス政府はついに先週末、脱税などの疑いがある顧客の情報を外国当局に提供することを決めた。世界各国の富裕層の資金を集めてきたスイスだが、制度見直しで資金流出の懸念が出てきた。

 【後日記】『テロ関連サイト共同監視 日本・東南アジア 警察当局が合意』(2009/5/16日経より抜粋)

 インターネット上の国際テロ組織などのサイトについて、東南アジア各国と日本の警察当局が監視、情報を共有する仕組みが動き出す見通しになった。ベトナムで開催中の「ASEAN(東南アジア諸国連合)警察長官会合(アセアナポール)」で日本の警察庁が提案、十五日までに各国が同意した。

 今回の同意によると、アセアナポール加盟の十カ国と日本の警察当局はそれぞれ、母国語や翻訳しやすい言語のサイトを担当。テロ関連のサイトを見つけ次第継続して監視し、概要を英語でデータベースに入力する。

 この種のデータベースは欧州警察機構(ユーロポール)がすでに運用しており、将来は連結を検討する。

 【後日記】『新規参入銀行、振り込め詐欺防止に貢献』(産経ニュース2009.6.11 21:02より転載)

 新規参入銀行の振り込め詐欺防止の取り組みが効果を上げている。セブン銀行は口座の動きを監視するシステムを導入し、被害件数が導入前に比べ9割も減少した。専門組織を立ち上げたジャパンネット銀行も被害を月約20~40件のペースで未然に防止している。

 インターネットや現金自動預払機(ATM)を使った営業が中心の新規参入銀行は、振込先の口座などに悪用されやすいとみられがちなだけに防犯対策を一層強化する考えだ。

 コンビニATMが主体のセブン銀行は昨年7月に「口座モニタリングシステム」を導入し、被害を飛躍的に減少させた。

 同行では過去の振り込め詐欺の口座の利用方法を分析。口座は売買されることが多く、長く眠っていた後に急に少額のお金の出し入れがあるなどの特徴がある。こうした口座を監視。現金の出し入れがあるなど不審な動きをした場合、最短3秒で検知して取引を自動で停止し、現金を振り込んだ依頼人や口座保有者に確認する仕組みだ。

 導入後、12月には被害ゼロを記録。今年に入っても導入前の昨年6月と比べ被害件数は約9割少ないペースが続いている。

 一方、ネット専業のジャパンネット銀行は口座開設時の厳格な本人確認などを徹底してきたが、平成18年9月にモニタリングセンターを設置。専門の10人前後の職員が不審な口座を監視している。昨年6月には約60件の振り込み詐欺被害を未然に防止。今年3月も約30件の被害を防ぐなど「実績を重ねてきている」(経営管理室)という。

 【後日記】『消費者金融 銀行・カード 情報管理2社合併』(2009/7/29日経より転載)

 消費者金融の借り手情報を管理する日本信用情報機構(東京・千代田)と、銀行やカード会社など全業種を網羅する情報管理会社、シーシービー(東京・新宿)が8月1日、合併する。来年前半にも消費者金融と銀行などその他業態の借り手情報を共有する。経営基盤を強化し、改正貸金業法に基づく「指定信用情報機関」を目指す。

 「指定信用情報機関制度」は改正貸金業法の柱の一つ。過剰融資の禁止など消費者保護の実効をあげるために、複数の金融会社からの借り入れ状況など借り手の情報を蓄積する信用情報機関は中心的な役割を期待されている。2社が合併するのは、国が定めた指定要件を満たすためとみられる。主にカード会社の借り手情報を管理するシー・アイ・シー(東京・新宿)も指定申請する方針で、2社体制となる。

 これまでは銀行、消費者金融、カード、リースなど様々な業態ごとに信用情報会社が存在していた。縦割り構造で借り手の借金情報を共有できなかったことも過剰貸し付けの一因と指摘される。改正貸金業法では国が監督する正規の情報機関を経由して、各社が融資を審査するため、返済困難な多重債務者が複数の業者から借金を重ねる「借り回り」が難しくなる。

 【後日記】『消費者庁 悪徳商法の利益没収 被害救済、3年以内に法整備』(2009/9/11日経より抜粋)

 消費者被害は被害者一人ひとりの損害額が小さく、裁判を起こしにくいケースが多い。食品偽装のように、被害者や損害額を特定しにくい事件もある。現在、政府の認定を受けた消費者団体が複数の消費者を代表して違法行為の差し止め請求を申し立てる制度があるが、損害賠償を請求することはできない。

 こうした悪徳業者の「やり得」を防ぎ被害者の泣き寝入りをなくすため、新たな救済制度を導入する。消費者団体や行政機関が被害者に代わって損害賠償請求訴訟を起こし、事業者から回収した賠償金を被害者に分配する制度を検討することを工程表に盛り込む。

 一方、警察や消防、保健所などが持つ製品や食品、施設の事故情報を集約する「事故情報データバンク」は、年内に試験運用を開始する。全国の病院20施設で情報の通知や登録、閲覧などを始め、年度内に一般消費者も閲覧できるようにする。さらに消費者も事故情報を直接書き込めるようにするかどうか、消費者委員会で議論を進める。

 集約した情報の中から要注意情報を抽出し、医師や研究者など専門家の協力を得て原因究明や追跡調査に当たる「事故情報分析ネットワーク」も年度内の立ち上げを目指す。問題のあった製品を検証する国民生活センターとも連携し、被害の発生・拡大防止に役立てる。

 【後日記】『反社会的勢力と関係絶つ 銀行界、年内にもルール』(2009/9/24日経より転載)

 銀行が暴力団などの反社会的勢力と関係を断絶するための取り組みを強化する。年内にも預金や融資、貸金庫を利用する顧客が反社会的勢力と判明した場合に契約をすぐ破棄できる新ルールを適用する。企業を装ってお金を出し入れするなど巧妙な手口が増えていることに対応する。

 全国銀行協会が加盟行向けに作った新ルールのひな型を近く公表する。銀行は融資や預金、貸金庫などのサービスを提供する際、約定書などへの記入を求める。ひな型には「暴力団排除条項」という条文を盛り込み、暴力団や準構成員、関係企業に該当したときに契約が失効することを明記する。将来にわたって該当しないことも契約時に約束するよう求める。

 今年度に入り一部の地域銀行が先行導入している。全銀協がひな型を示すことで各行の取り組みを促す。全銀協のアンケートでは年内にほぼ全銀行が導入する予定という結果が出ている。各地の銀行は6月までに都道府県警との間で連携協議会を立ち上げ、情報提供や摘発などで後押ししてもらう体制をつくった。ルールを明確にしておくと、警察が動きやすくなる。

 今のルールは暴力団などの反社会的勢力と分かっただけでは取引を破棄できない。暴力的な要求を受けたり、力を誇示した業務妨害を起こされたりした場合に限り破棄できた。

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自衛隊の海外派遣

 について、注釈が昨日の日経にありましたので、以下に丸写しします。

 自衛隊は1991年の湾岸戦争後、初めてペルシャ湾に海自掃海艇部隊を派遣。92年からは国連平和維持活動(PKO)協力法に基づいてカンボジアや東ティモールなどに要員・部隊を派遣してきた。米同時テロ後は特別措置法でインド洋での給油活動、イラクでの空輸活動に携わっている。07年の防衛省昇格時には国際平和協力活動が自衛隊の本来任務となった。
 自衛隊や民間人を被災地に派遣できる国際緊急援助隊派遣法もある。今回の四川大地震での支援はこれに該当する。

 【後日記】6/20日経。自衛隊の海外派遣を随時可能とする恒久法(一般法)制定に向けた与党PT(座長・山崎拓自民党元幹事長)が、中間報告をまとめたとのこと。

 【後日記】6/20日経。政府の防衛省改革会議(座長・南直哉東京電力顧問)は報告書とりまとめに向け、詰めの協議に入ったとのこと。

 【後日記】7/1の日経によると首相は官邸で国連事務総長と会談し、スーダン南部に展開しているPKOの国連スーダン派遣団(UNMIS)司令部に自衛隊員数人を派遣する考えを伝えたそうです。日本のPKO派遣はスーダンで八つ目の国・地域となるそうです。

 【後日記】『これまでの米ロ核軍縮交渉』

 日経2009/3/8より表を転載。

1987年・・・米国とソ連、初の核軍縮条約である中距離核戦力(INF)廃棄条約に調印

91年・・・米ソ、第1次戦略兵器削減条約(START1)に調印

93年・・・米ロ、第2次戦略兵器削減条約(START2)に調印

96年・・・国連総会、包括的核実験禁止条約(CTBT)採択を決議(現在も未発効)

2002年・・・ロシアがSTART2破棄表明

07年・・・ロシアが大陸間弾道ミサイル(ICBM)と潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験成功/米ロ、START1に代わる新たな核軍縮条約交渉に着手

09年3月・・・米ロ外相、核軍縮新条約の年内合意をめざすことで一致

 【後日記】『「反対…でも守って」 海自がピースボートを護衛 ソマリア沖』(産経ニュース2009.5.14 01:38より転載)

 海賊対策のためアフリカ・ソマリア沖に展開中の海上自衛隊の護衛艦が、民間国際交流団体「ピースボート」の船旅の旅客船を護衛したことが13日、分かった。ピースボートは海賊対策での海自派遣に反対しており、主張とのギャップは議論を呼びそうだ。

 海自の護衛艦2隻は11日から13日にかけ、ソマリア沖・アデン湾を航行する日本関係船舶7隻を護衛。うち1隻がピースボートの船旅の旅客船だった。ピースボートは社民党の辻元清美衆院議員が早稲田大在学中の昭和58年に設立。船旅は寄港地のNGO(非政府組織)や学生らと交流を図ることなどを目的としている。

 66回目となる今回の船旅は約3カ月半に及ぶ地球一周で、北欧5カ国とフィヨルドを巡るのが目玉。約600人が参加し、4月23日に横浜港を出発後、中国とシンガポールに寄港。ピースボートのホームページには船旅の最新リポートとして、デッキで催されたフルーツパーティーの様子が掲載されている。

 ピースボート事務局によると、船旅の企画・実施会社が護衛任務を調整する国土交通省海賊対策連絡調整室と安全対策を協議し、海自が護衛する船団に入ることが決まったという。

 ピースボートは市民団体による海自派遣反対の共同声明にも名を連ねている。事務局の担当者は「海上保安庁ではなく海自が派遣されているのは残念だが、主張とは別に参加者の安全が第一。(企画・実施会社が)護衛を依頼した判断を尊重する」と話している。

 【後日記】『日米安保条約』(2009/9/24日経より転載)

 米国などとの戦争状態を終結するため、日本はサンフランシスコ平和条約を締結。日米安全保障条約(旧安保条約)も結んだ。60年1月、日本が攻撃された際に米国が日本を守る義務を明確にした新安保条約を調印、同年6月に発効した。米国の抑止力により日本の安全を確保するのが目的で、70年6月から現在まで自動継続されている。

 96年4月、当時の橋本龍太郎首相とクリントン米大統領が「日米安全保障共同宣言」を発表した。両首脳は、日米安保を基盤とする日米関係が、アジア太平洋地域の安定と繁栄の基礎であると強調した。

 <日米安保に絡む出来事>
1951年:サンフランシスコ平和条約と同時に、旧安保条約を締結(吉田茂首相)

1960年:岸信介首相が新安保条約を締結。米国の日本を守る義務を明記。日米地位協定も締結

2006年:5月の「2プラス2会議」で、在日米軍再編の具体的施策の「ロードマップ」発表

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2008年5月12日 (月)

人材鎖国はもう限界

 昨日の記事を以下、要約します。日経の論説委員長は、ケガで入院した都内の病院で、患者の高齢化と看護師の厳しい労働実態を目の当たりにしました。厚労省の推計では看護師不足は約三万七千人。介護職員も、厚労省の四年前の予測では、2014年までに四十万人-六十万人が不足します。厚労省は「賃金を含む労働条件の改善が先決」と言い、女性の職場復帰も支援する方針です。

 日経は、外国人の受け入れを真剣に考えるときだ、と主張します。

 日本はインドネシアとの二国間協定で恒久的に看護師を受け入れることにしましたが、看護師団体や厚労省の抵抗が強く、当初二年で看護師が四百人、介護士で六百人に過ぎません。

 今後、様々な分野で人手が足りなくなります。少子化対策は重要ですが、生まれた子供が働き始めるのは二十年後。急速に進む高齢化に追い付きません。

 日経は、経済大国を維持するなら五十年間に三千万人程度の受け入れが必要だろうと言い、それは現実的ではないとしています(つまり、豊かだが中規模の国を目指す)。なお、06年の外国人登録者数は二百八万人です。

 外国人の受け入れ方も課題です。1990年代に日系ブラジル人らを受け入れましたが、国が教育を怠ったため仕事に就けず犯罪に走る若者も現れました。また、三年間の「研修・技能実習」の名目で中国人らを極端な低賃金で使う企業も多く、坂中英徳・外国人政策研究所長(法務省で出入国管理に携わっていた)は「一部の単純労働を含めて、出稼ぎではなく永住を前提に受け入れないと良い人材は来ない」と言っています。

 今やマレーシアがインドネシアから、台湾がベトナムから人を受け入れるなど、人材の取り合いになっている現実を考えれば、「来ても良い」ではなく「来て頂く」精神で臨まなければ、日本の助けになる外国人は来てくれません。医療保険やガソリン税の問題に劣らず人材受け入れ政策は重要である、として日経は政治家らに国民の意見を聞くなど検討を急いで欲しいと主張しています。

 【後日記】『海外に移民学校をつくれ』

 5/26日経インタビュー『領空侵犯』は、モルガン・スタンレー証券の経済調査部長であるR・フェルドマン氏です。『領空侵犯』では、たまに思いもよらなかった視点に触れることがあり、ちょっと前にも、(誰だったかは忘れましたが)”200年住宅に異議あり”と題したインタビューが掲載されていて、中々考えさせられました。

 さて、氏は、看護師や農業技術者などを目指して海外の専門学校や大学で学ぶ人に、専攻分野と併せて日本語を習得してもらい、卒業後自動的に日本で働けるビザが下りるようにすればどうか、と言います。

 日本経済の最大の問題は生産性の低さにあるとは言っても、しかし、高齢化で農業や介護など労働集約的な分野では海外の労働力が必要なのは事実だと言っています。

 また、「日本では外国人が罪を犯しても、刑務所で働いてお金をもらって自国に帰れる。米国でこんなことはありえません。日本的な刑罰はこれまでの日本社会では効果がありましたが、外国人には効果がない。治安対策は真剣に考えなければなりません」とも言っています。

 「・・・。役人は『しない』理由を見つけるのが得意。そこで『やれ』と指示するのが政治の役割ですが、その政治に圧力をかけるのは国民です。移民学校の実現には、国民的な議論を盛り上げる必要があるでしょう」としています。

 【後日記】『留学生30万人計画 就職活動の規制緩和』
 6/7の日経から。政府が2020年までに留学生を三十万人に増やす計画を打ち出していることを受け、中央教育審議会の特別委員会は実現のための具体策の素案をまとめたとのことです。
 現在、日本に留学生は約十二万人いるそうです。
 留学生三十万人計画を巡っては、官邸に設置されている教育再生懇談会も対策をまとめているそうです。
 文部科学省は提言を基に具体的な政策を検討する、としています。

 【後日記】6/13の日経記事より要約。厚労省は外国人研修・技能実習制度の見直し案をまとめた。実習生の受け入れ団体に許可制を導入。近く「研修・技能実習制度研究会」で最終報告をまとめ、法務省と調整後に出入国管理法などの改正案を来年通常国会に提出する意向。
 同制度は主に発展途上国の労働者を対象に最初の一年で座学などの研修、残り二年で現場実習を行う。約1100ある受け入れ団体の中には低賃金労働者の提供をうたい文句に日本企業から高額の手数料を取るブローカが混在、トラブルが多発していたが、今後は手数料を取るだけのブローカーには許可を与えない。また、最低賃金や労基法などが適用されない研修期間に低賃金など劣悪な労働環境を強いられるケースが多く、国際的な非難を浴びていた。厚労省は06年に研究会を立ち上げていた。

 【後日記】6/13の日経。自民党の外国人材交流推進議員連盟(会長・中川秀直)は「移民立国」の政策提言をまとめた。今後五十年間で総人口の10%程度(一千万人)の移民受け入れが目標。近く首相に提言し党国家戦略本部で具体策を詰める。

 【後日記】6/20日経。日本商工会議が、高度な技能を持たない外国人労働者の受け入れについて、政府への要望書をまとめたそうです。製造、農林水産など幅広い分野で三-五年程度の期間、研修生でなく労働者として日本で就労できるビザを発行するよう求めているそうです。前提条件として、日本語教育の事前受講や生活習慣の習得を挙げているとのこと。

 【後日記】『外国人の高度技能者』(2009/1/3日経より転載)
 政府の高度人材受入推進会議(議長・田中直毅国際公共政策研究センター理事長)は法律や研究、製造現場の技術などで高い技能を持つ外国人の受け入れ拡大に向け、新たな研修制度の創設や在留資格の見直しに向けた検討に入る。作業部会を設置し、具体策の議論を始めた。世界各国は国際競争に勝ち抜くための人材獲得に力を入れており、政府も戦略の立案を本格的に進める。

 【後日記】『外国人労働者 4割りが製造業』(2009/1/17日経より)
 日本で働く外国人40万6398人(2008年十月末時点)の約四割が製造業で働いていることが厚生労働省の調べで分かったとのことです。そのうちの三割が派遣・請負事業所で働いているとのこと。なお、外国人の就業者が多かったのは製造業(39.6%)、サービス業(19.7%)、飲食・宿泊業(10.4%)の順。

 【後日記】『在留管理に2つの法律 行政サービスに支障』(2009/1/19日経より転載)

 日系ブラジル人の定住に関する問題は多岐にわたる。そもそも国や自治体は外国人がどこに何人住んでいるのか正確に把握できていない。外国人の在留については、出入国管理・難民認定法と外国人登録法という二つの法律で別々に管理し、連携していないためだ。

 外国人登録法では、九十日以上滞在する外国人は市町村に氏名や住所、世帯などを届けることを義務付けている。しかし転出届の義務はなく、単身赴任などで登録データと実際の居住地が一致しないことが多い。間違いが分かっても市町村に修正権限はなく、健康保険や年金、児童手当など行政サービスに支障が出ているのが実態だ。

 このため、総務省は新しい「外国人台帳制度」の導入を準備中。外国人版「住民基本台帳」を整備し、法務省の出入国管理制度と情報交換する。データの正確性を高め、行政サービスに役立てる狙いだ。関連法案を通常国会に提出し、三年後の施行を目指している。

 定住を進めるには、年金や健康保険の未加入問題なども解決が必要だ。新興国などとは年金加入期間を相互通算する協定締結が遅れており、外国人が帰国した場合には掛け捨てになるため、加入が進まないという。

 こうした問題を管轄する省庁がバラバラで、自治体も戸惑いを隠せない。「問題を専門に扱う『外国人庁』の設置が必要だ」(鈴木康友・浜松市長)との声も出ている。

 【後日記】『ウィザス、来日看護師に日本語』(2009/1/20日経より転載)
 関西地盤の学習塾、ウィザスは二月、日本国内の医療機関や介護施設で働きたいと来日したインドネシア人の看護師・介護福祉士候補を対象に日本語講座を始める。インターネットを使い、それぞれの施設で実務経験を積みながら日常会話や医療。福祉分野の専門用語などを習得してもらう。費用は看護師候補らを受け入れる施設側が負担する。

 【後日記】『日・フィリピン 船員養成で協定』(2009/3/9日経より転載)

 日本とフィリピンは共同でフィリピン人の船員を養成する仕組みをつくることを決めた。近く両国政府が二国間協定を結ぶ。フィリピン人船員は日本の船舶で働く船員の七割を占める戦力。働き手を安定的に確保するのが難しくなる中で、外国人の労働力確保に体系的に取り組む具体例といえそうだ。

 日本の海運業者の船員は約四万五千人いるが、このうち三万人程度はフィリピン人船員。日本人のなり手が減る中で、相対的に賃金が安く長期の船員労働をこなせることから、重要な戦力として活躍している。

 新たな人材育成では日本側がフィリピン国内で実習船を使った実地訓練制度を創設。一年間の研修期間のうち三カ月は日本が用意した訓練船で研修を積み、残り九カ月は日本企業の船に実際に乗り込んで実習する。

 人材育成に必要な資金は主に日本の海運業界の負担で賄う。奨学金などの形で研修に必要な資金を支給し、研修費は無料とする計画。実習船の準備や改修などの費用も日本側が負担する。必要な負担額などは官民で詰める。政府はフィリピンとの間で人材育成の仕組みや両国への制度の周知などを進め、年間百五十人のフィリピン人船員の育成を目指す。

 ここへきて欧米や新興国などもフィリピン人船員の採用を積極化しており、先行きの人手不足が予想される。フィリピン国内にも船員養成学校はあるが「実地研修のできるところが少なく、必要な免状を取れない人も多い」(国土交通省)。こうした人に日本の支援で実地研修の場を提供し将来の担い手として囲い込む狙いがある。

 【後日記】『移民受け入れ慎重に』(2009/3/9日経より転載)
 佐伯弘文・神鋼電機会長へのインタビューを転載します。

 -海外からの移民受け入れに慎重論を唱えていますね。

 「特に単純労働者の移民は受け入れるべきではありません。そもそも『労働力が足りないから移民を受け入れる』という考え方は、人間を労働力としてしか見ていない。外国人に対しても失礼な話だと思います」

 「私は神戸製鋼所にいた時、プラント事業など海外で仕事をすることが多く、大勢の移民を受け入れた英国やドイツ、フランスなど欧州先進国の人々の話を聞く機会がたくさんありました。彼らはみな『移民を受け入れたのは失敗だった。日本は受け入れるべきでない』と言っていましたよ。すでに失敗した例がたくさんあるのに学ばず、安易に移民を受け入れようとするのは理解できません」

 -具体的にどのような問題がありますか。

 「日本語ができず、文化も生活習慣も異なる外国人が日本に移住しても、日本の社会に十分なじめないでしょう。日本にやって来てみたものの、就職できずに貧窮する移民も大勢出てくる。そうなると社会の安定を保てなくなる恐れがあります」

 「移民を雇用する企業にとって低コストの労働力を確保できるかもしれません。しかし社会全体でみれば、移民やその子弟の教育、社会保障、治安維持などにものすごくお金がかかります。マクロでみると『移民は安い労働力』というのは間違いです」

 -しかし少子高齢化が進み、人口の減少が続く以上、移民を受け入れなければ経済成長を望めないのでは。

 「介護の分野で労働力が足りないから移民を受け入れようという意見がありますが、そういった問題は政策次第で解決できます。政府は介護報酬を3%引き上げると言っていますが、そんなチマチマした引き上げでなく、一気に二-三割引き上げればいい。すぐ人材が集まってきますよ。だいたい、失業者やニートが大勢いるのに労働力不足というのもおかしな話。問題なのは労働力不足ではなく、雇用のミスマッチなのです」

 「日本の将来人口推計では2050年の人口は今より三千万人以上減る見通しで、この減少を移民でカバーするのは不可能です。移民受け入れは問題の先送りにすぎず、人口減少は避けられません。それよりも人口の減少に対応できる産業構造の転換を急ぐべきでしょう。家の広さなど一人あたりの生活はむしろ豊かになる可能性もあります。移民受け入れによる経済成長よりも、社会の安定を重視すべきではないでしょうか」

 【後日記】『外国人労働者 50万人』(2009/4/22日経より転載)

 厚生労働省は二十一日、外国人の雇用状況(速報値)をまとめた。日本で働く外国人数は2009年一月末で五十万四千三百六十人。地域別にみると、最も多いのが東京で25%、次いで愛知で12%だった。

 【後日記】『日系人就労支援 5ヵ所先行実施』(2009/4/29日経より抜粋)

 厚生労働省は二十八日、日系外国人に日本語や労働法令などを教える研修事業を全国五カ所で先行実施すると発表した。雇用不安で職を失った日系ブラジル人などに就労に必要な知識を習得させるのが狙い。再就職しやすい環境を整備し、日系外国人の雇用不安に歯止めをかける。

 昨年秋以降の経済危機を背景に、2009年一月末までの三カ月間で日系外国人が多く住む地域の新規外国人求職者数は約九千三百人と、前年同期比で約十一倍に拡大。再就職支援が大きな課題となっている。

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2008年5月 9日 (金)

電子政府へ活気づく官民 構想から8年 浸透いま一つ

 今日は面接に行ってきました。職種は電気工事士です。実は私はIT関係以外に電気関係(二種電工等)の資格も持っているので、稀に登録している人材サイトを通じてそっち系から誘いがあります、と言うか逆にIT系からは滅多に誘われません(人転がし産業を除けばね)。(IT系の資格って免許じゃないから、なきゃないで困らない。)で、そろそろ離職して三カ月が経つので、情報システムがいい!など言ってる余裕はついに失せました。ただ、今日の面接では、免許は持っているがブランクもあるし元々大した事できない、と念を押しておいた(事実だし)ので採用されない気がします。

 さて、今日の日経の記事からです。電子政府構想が浮上してから約八年になります(言われてみれば懐かしい響きですね)。ですが、役所の仕事全体を変えるという意識が乏しく、小出しの改革に終始した面は否めない、と言います。縦割り行政も大きな壁となり、事務やデータを共通化する基盤が整わず、各省庁がそれぞれ「電子化」予算を計上するケースも目立ったそうです。

 例えば、国内出張の経路をどこまで自由に選べるかなど、各省庁の旅費規定はまちまちで、共通の処理システムを構築できません。内閣官房は旅費規定の統一などに関する行動計画を五月中にまとめ、旅費清算業務の大幅な簡略化を目指す、としています。これを突破口に物品の調達や管理、謝金諸手当の支払い、補助金支給などの共通化も実現するというシナリオを描いているそうです。

 国民としても、オンライン申請の手数料が紙の場合の半分となり、税金の納付や年金振込みの確認、住民票の写しの取得といった各省庁にまたがる手続きを共通窓口で終えられる等のメリットがあるようです。

 日経は、IT化による業務の効率化は各省庁の人員削減につながりかねず、根強い抵抗も予想される、と懸念しています。

 【後日記】『産廃処理記録票 電子管理を加速』
 5/29の日経によると、電機や建設大手が産廃管理票を電子化する動きを加速しているとのことです。

 廃棄物処理法では、排出事業者が処理状況を都道府県や政令市に報告することを義務付けていますが、これまで規定の適用は猶予されていたのだそうです。が、政令が変わり08年六月末までに前年度の状況を報告するよう求められているとのこと。

 なお、産業廃棄物管理票とは産廃排出業者が処理を委託する際に、その量や種類などを記録し、産廃とともに収集運搬業者や処分業者に渡して処理の過程を確認する伝票のことだそうです。

 【後日記】『社会保証・住基 一体カード 厚労・総務省 発行を検討』
 5/31の日経トップニュースです。原案では厚労省が発行主体となり、発行窓口は市町村が担うとのこと。原則として一人に一枚ずつ無料で発行。

 住基カードには多くの情報を記憶するICチップが埋め込まれており、容量は十分。年金手帳、健康保険証、介護保険証の機能をそっくり持たせることが可能とのことです。

 カードの読み取り機を使って自宅のパソコンからシステムに接続すれば、自分の年金の納付記録や治療記録なども閲覧できるそうです。

 両省は今後、有識者らを加えた「社会保障カードの在り方に関する検討会」で詳細を詰め、福田康夫首相が主宰するIT戦略本部や社会保障国民会議に構想を提示。その後法整備に着手し、来年の通常国会に社保・住基カード関連法(仮称)などの法案を提出するそうです。

 新カードは住民票コードや基礎年金番号、健康保険証番号などすべて管理できるため、これらの番号を一本化した社会保障番号の創設は見送る見通しです。全納税者に番号を割り振って所得を補足する納税者番号についても、まずは切り離して制度設計します。政府・与党内では「所得を把握して課税逃れを防ぐには納税者番号が必要」との声が強まっているそうですが、新カードが全国民に普及すれば11桁の住民票コードを納税者番号に転用する道が開けそうです。

 素晴らしい。以前から私も全納税者を補足できる通し番号の必要性を強く感じていましたが、住基カードはすっぽり念頭から抜け落ちていました。言われてみればなるほどです。他の「~手帳」の類も一括管理できそうですね。厚労省もたまには良案を出します。高得点です。

 【後日記】『株券電子化』(6/15日経より要約)
 来年一月を目処に上場企業の株主権の管理を紙から電子データに切り替えること。04年に成立した決済合理化法で決まった。証券会社を通じて証券保管振替機構(ほふり)に株券を預け入れている場合は何もする必要はないが、自宅や貸金庫にタンス株として保管したままだと、名義人の名前で「特別口座」が設定される。

 特別口座で管理されてしまうと、株式を売買する際に従来よりも手間がかかる。また、他人名義で特別口座が設定されていると、知らぬ間に売却されてしまうリスクがある。

 株券電子化・・・上場企業が発行している株券をすべて電子データにして証券保管振替機構(ほふり)や証券会社の口座で管理すること。政府の方針ですでに国債や社債、コマーシャルペーパー(CP)などは電子化作業が終わり、株券が最後の関門となっている。(12/30日経より要約)

 【後日記】6/16の日経によると、政府・日銀は、国税(国税庁)や特許料(特許庁)や関税(財務省)など、官庁のサイト上で簡単に納付できる仕組みを導入するとのこと。現在は、印紙を貼った書類を提出するなどの方法がほとんどですが、新たな仕組みでは、政府・金融機関と口座振替の契約を結んでおけば、申請から代金引き落としまで一連の手続きがネット上で完了するそうです。

 【後日記】『電子手形取引 来年6月にも』(12/2日経より転載)

 手形などを電子化した「電子債権」について定めた電子記録債権法が一日、施行された。三菱東京UFJ銀行や全国銀行協会が電子債権の取引を仲介する「記録機関」を設置する準備を進めており、来年六月にも実際の取引が始まる見込み。従来の手形と違って分割して譲渡できるなどの利点があり、中小企業の資金繰りを円滑にすると期待されている。

 法施行を受け、三菱東京UFJ銀行が記録機関を設立し、来年六月をめどに電子手形の取引を始める方針。これとは別に全国銀行協会も記録機関を設立する方針を固め、詳細を検討している。

 電子手形は主にインターネットを通じてやり取りする。従来の紙の手形と違い、紛失や盗難のリスクがなくなる。分割して譲渡することも可能で、中小企業が大企業から受け取った電子手形を別の企業への支払いに充てるといった使い方がしやすくなる。

 電子債権・・・手形を電子化した新たな決済手段。従来の手形は紛失や盗難、偽造などのリスクがあるほか印紙代がかかるため、流通量が年々減少しており、これに代わる手段として2008年12月施行の電子記録債権法により導入された。
 国から認可を受けた「電子債権記録機関」が、コンピューター上で支払額や債権者・債務者の名前、支払期日などの情報を管理する。第三者に譲渡する場合、ネットやファックスを通じ記録機関に届け出る。債務者が支払いを終えるとデータが抹消される。(2009/6/25日経より転載)

 【後日記】『納税者番号導入を検討 自民PT初会合』(2009/1/29日経より転載)

 自民党は二十八日、党本部で「ICカードシステムに関するプロジェクトチーム」(村上誠一郎委員長)の初会合を開き、すべての納税者に番号を割り振って所得を把握する「納税者番号制度」の導入に向けた検討を始めた。

 年金、医療など社会保障の負担と給付の情報も一元的に管理することで、国民の利便性向上と行政の効率化を図りたい考えだ。夏をめどに提言をまとめ、政府に実現を求めていく。

 納税者番号制度は個人に固有の番号を付与し、所得を把握しやすくして課税の公平性と効率的な徴税につなげる仕組み。年金などと一元的に管理すれば、年金記録漏れのように負担したが給付が受けられないといった事態も防げる。

 氏名や生年月日、性別、住所の四情報に限られている住民基本台帳ネットワークシステム活用も視野に入れている。番号の代わりに指紋や静脈の形状など身体的特徴で個人を識別する生体認証の採用も検討。電気や水道など公共サービスのほか、民間ビジネスでの活用案もある。ただ、「プライバシー保護の観点から問題がある」などと党内外に根強い反対論もある。

 住基カードを義務付けて給付と負担の情報を一元管理すべきです。私が主張する、「社会保障関連の援助には資産制限を!」にとっても、是が非でも必要です。情報管理に携わっている莫大な人数のアナログ公務員らも削減できます(そのくせ実は全く情報管理できてませんでした、ってオチが例の社保庁でした)。

 【後日記】『社会保障・納税者番号の実現へ踏み出せ』

 国が一人ひとりの国民に一つの番号を割りふる番号制度の創設に向け政府内や与野党の議論が高まってきた。年金、健康保険などの負担・給付の状況を個人単位で管理する社会保障番号や、各人の納税情報や金融取引の実態を把握するための納税者番号を念頭においた動きである。

 創設の機運を高めたのは2007年に表面化した年金保険料の記録漏れ問題だ。基礎年金番号をでたらめに扱ってきた社会保険庁のせいで年金受取額が本来より少なかったり一円も受け取れない人が多数いた。

 政府は記録回復の作業をしているが解決のめどは立っていない。払うべき年金を最後の一人まできちんと払うという安倍政権以降の公約を果たすべく、努力を続けるべきだ。

 同時に健康保険や介護保険などを含め、払った保険料の記録は国や地方自治体にきちんと把握してほしいという国民の願いに応えるためのインフラを整える必要が出てきた。政府による「社会保障カード」の研究が先行しているのはそのためだ。

 その検討状況によると、11年度中にICチップを埋め込んだカードをすべての国民に配る。この一枚に年金手帳や健康保険証、介護保険証などとしての機能を持たせる。

 利用者はカードをパソコンに差し込んでパスワードを入れれば、年金保険料の支払い記録や将来の想定受取額を確認できる。病院や診療所にかかったときの診療報酬明細も見られる。電子カルテシステムとの接続もできるようになるだろう。

 社会保障に関する負担と給付の記録を個人個人が可視化できるので、記録ミスを見つけやすくなる。自分が公的な制度にどれだけ頼っているかなどの自覚も持てる。

 健康保険組合など保険制度の運営者や医療機関は事務コストが軽くなる。健康保険と介護保険の重複給付の調整などもしやすくなる。

 政府はカードに固有の番号をつけ社会保障番号として活用する考えを示している。社会保障国民会議も昨年十一月、番号の導入検討を積極化するよう首相に提言した。社会保障番号は事実上の納税者番号としての役割も想定されている。

 与野党も議論を加速させている。与党は納税者番号について09年度の税制改正大綱に「国民の理解を得て早期かつ円滑な導入を目指す」と盛り込んだ。それを受けて自民党は一月に検討会合を始動させた。

 民主党は最近の選挙マニフェスト(政権公約集)で、納税者番号の導入とそれを一元管理する「歳入庁」の創設を公約に掲げている。

 国民を対象にした番号制度には住民基本台帳番号と基礎年金番号がある。年金番号への信頼の失墜を考えると、制度の新設には住民番号の援用がコストや効率性の観点から相対的に優れているのではないか。

 納税者番号の導入の議論は1970年代から政府の税制調査会で続いている。だがプライバシーの侵害問題や国・自治体の職員による情報流用のおそれが取りざたされ、議論は堂々巡りしてきた。社会保障カードの設計をみても、読み取れる情報は病歴などプライバシー性が極めて高いものが含まれる。保護対策に万全を期すのは当然である。

 たとえばプライバシーを守るための基本法を制定したり、番号を扱う政府機関を監視する体制を整えたりする対策が検討課題となろう。

 そうした条件整備を同時平行で進めるのを前提に、少子化対策や年金制度改革に関連して新しい政策を立案、実行するためにも番号制度をうまく使う工夫が考えられる。

 少子化対策では、子供を持つ世帯に税額控除を認め、収入が課税最低額に届かない低所得世帯には逆に給付金を出す「給付付きの税額控除」の制度を設ける案がある。そのためにはすべての世帯の所得情報を正確につかむことが必要になる。

 年金制度では、自営業や農林漁業を営む人の所得情報があれば、会社員や公務員と同じように報酬比例型の制度を適用できる。現役時に十分に保険料を払えなかったために極端な低年金になっている人への救済もしやすくなる利点がある。

 また金融取引での税の取りこぼしを防ぐ一方、利息や株譲渡の損益を通算しやすくするのにも役立つ。

 社会保障費を確保し財政赤字を減らすために、いずれは消費税増税が必要になる。そのときまで、自営業者などの所得情報をつかみ切れていない問題を放置しておくわけにはいかない。見返りに、自らリスクをとって起業した人には税制優遇策など政策上の工夫があってもよい。

 国民の間には公権力に番号をふられることへのアレルギー反応が依然ある。それをときほぐし、新しい政策の展開や日本経済の活性化を推し進めるうえで番号制度が有効なことを説明する責任が政治家にある。

 以上、2009/2/1日経の社説より転載。

 私は性風俗のオーナーや従業員からも法人税所得税を取るべきと思っているのですがいかがなもんでしょうか。是非、実現してもらいたいもんです。

 【後日記】『国立市の住基ネット接続 都、16日に要求』(2009/2/14日経より転載)

 東京都の石原慎太郎知事は十三日の記者会見で、「国立市は速やかに住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)に参加してもらいたい」と述べた。東京都国立市は住基ネットへの参加を拒否してきたが、鳩山邦夫総務相が同日、地方自治法に基づく是正要求を出すよう東京都知事に指示した。石原知事は会見で「取り次いで仲介する」と表明、都は十六日に国立市に要求を伝える。

 総務省によると、国が市町村に対する是正要求を支持したのは2000年にこの仕組みができたから初めて。

 これまで国立市は都から住基ネットへの参加を促す勧告を二度受けていたが、個人情報が漏れる危険性などを挙げて見送ってきた。

 総務省は国立市と同様に不参加を続けている福島県矢祭町に対しても、近く県を通じて是正要求を出す方針だ。

 【後日記】『情報システム 霞が関で統合を』(2009/2/22日経より抜粋)
 鳩山邦夫総務相の私的懇談会である「ICT(情報通信技術)ビジョン懇談会」(座長・岡素之住友商事会長)は、政府の経済成長戦略の策定に向けて緊急提言をまとめた。各省庁が個別に持っている情報システムを統合・集約し、新たなデータセンターで一括運営する仕組みを提言した。行政コストの削減につなげる狙いで、2015年の移行を目指す。

 【後日記】『区民の申請窓口集約』(2009/2/27日経より転載)

 東京都葛飾区は住民票の写しや印鑑証明の発行、児童手当の申請など、区民向けの窓口業務を統合する。対象事務は七課が扱う約三百種類で、一般区民向けの大半の窓口業務を一括的に取り扱う「ワンストップ化」は都内でも珍しいという。区は2012年度中に統合を終え、13年度からの本格運用を目指す。

 各課の窓口は現在、区庁舎の二-四階にある。区民はそれぞれの窓口で課税証明書の発行や印鑑証明の登録などの手続きをする必要があり「行ったり来たりで不便だ」との声が寄せられていた。ワンストップ化に向け09年度は約二億四千万円を投じて介護や高齢者、障害者向けのシステムを構築する。事業者向けの許認可手続きは対象外。

 区は将来的には、国の電子行政サービスとも連動させる方針。インターネット経由で転居や退職手続きを行えば、社会保険や運転免許証の住所変更、住民票の異動などを一括で行える電子窓口の構築を目指す。

 【後日記】『ネットでも確認可能 受給者も対象に』(2009/3/29日経より抜粋)

 自分の年金記録が正しいかどうかは社会保険庁がインターネットのホームページで提供するサービスでも確認できる。

 名称は「年金個人情報提供サービス」。自宅のパソコンなどから社保庁のホームページに接続し、基礎年金番号や氏名、住所などを申請。約二週間でIDとパスワードが発行され、自分の記録の閲覧が可能になる。

 国民年金の加入期間や月別の納付状況など、ねんきん特別便に記載してあるデータのほか、実際に納めていた厚生年金の標準報酬月額も確認できる。社保庁は月一回の割合でデータを更新する。

 従来は加入者向けサービスだったが、三月十六日から受給者も利用できるようになった。発行されたIDとパスワードは二月十五日までの累計で146万件。2010年一月に社保庁の後継組織、日本年金機構が発足した後はサービス水準の向上が期待されている。

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2008年5月 6日 (火)

外国人集客へ広域連携活発 観光圏 相乗効果をめざす

 という昨日の日経記事に、国土交通省や自治体の「外国人観光客増加が地域活性化につながる」という意見がありました。

 一人の外国人観光客が日本で消費する金額は、航空運賃など旅費を除いて平均18万円で、外国人客七人で日本人一人の年間消費額平均(121万円)に相当するそうです。国の目標通り、年間一千万人の外国人観光客が訪れるようになれば、人口百四十万人分の年間消費額に相当する経済効果が生まれる勘定です。

 【後日記】『小型ビジネス機 首都圏に専用空港 検討』
 6/5の日経です。国交省によるとビジネスジェットは全世界約二万二千機が登録されている一方、日本ではたった六十三機だそうです。年間飛行回数もニューヨーク周辺六空港で二十五万回、ロンドン等の欧州主要都市で数万回に達しますが、日本の首都圏では二空港合わせて二千六百回(2007年)しかないそうで、経済面で日本の地位低下につながる懸念も出ているとのこと。国交省は小型ビジネス機の往来を増やせば投資や富裕層の訪日観光の増加につながる、としています。

 ただ、羽田・成田両空港は定期便の乗り入れ需要にも十分対応できておらず、他の飛行場を小型ビジネス機専用・優先空港にする方策も探るそうです。

 また、小型ビジネス機は要人のお忍び来日や急な出張で使われることが多く運行面の規制緩和も課題になる、としています。

 【後日記】『観光立国への挑戦①』
 北大観光学高等研究センターによる連載ゼミです。日経7/21から以下、抜粋します。

 今年十月に国土交通省の外局として観光庁が新設される予定だ。日本では長らく観光は重要な国家的課題とみなされずに軽視されてきたが、ようやく本格的な国家的取り組みが始まろうとしている。

 観光をめぐる地殻変動を生じさせたのが小泉純一郎元首相だ。観光を国家的課題と位置づけた最初の首相といえるのではないか。小泉首相はまず2003年一月の施政方針演説で「10年までに訪日外国人旅行者数を一千万人に増やす」ことを目標に掲げた。また観光立国懇談会も立ち上げ、観光立国政策の方向性について議論し、「住んでよし、訪れてよしの国づくり」が提言された。

 その後、関係閣僚会議で観光立国行動計画が決定されるとともに、国土交通大臣が観光立国担当大臣に任命された。まさに03年は日本における「観光立国元年」といえる記念すべき年になった。そして06年十二月には議員立法によって観光立国推進基本法が成立。それに基づいて07年六月の閣議で観光立国推進基本法が策定され、訪日外国人を10年までに一千万人と06年比で36%程度増やす目標などが掲げられた。

 【後日記】『訪日外国人2000万人に増加なら』
 彼らが日本国内で消費する金額は4.3兆円にまで膨らむとの試算を、国交省が観光立国推進会議の「観光実務に関するワーキンググループ」初会合に示したそうです。また、観光産業に新たな雇用機会をもたらすなど合計で10兆円以上の経済効果があるとも。

 同省によれば、外国人観光客は一人一回の訪日で約十泊し18万円程度の消費をするそうで、日本の人口が一人減っても訪日観光客七人で国内消費を穴埋めできるといいます。日経8/10より。

 もっとも、厚労省と国交省の試算って信用ないですよね。

 【後日記】『セカンドホームツーリズム 進む欧米との格差 顕著に』
 日経8/15の「観光立国への挑戦⑲」より部分転載。

 内閣府が06年二月に公表した「都市と農山漁村の共生・対流に関する世論調査」では都市と農山漁村地域での二地域居住の願望を持つ人は、二十歳代が約33%、三十歳代が約36%、四十歳代が約36%、五十歳代では約46%もいた。日本ではすでに団塊世代が定年を迎え、大量退職時代となっている。セカンドホームツーリズムが欧米諸国の水準程度まで市場が成長する可能性があり、実現すれば内需拡大への貢献度は大きい。

 【後日記】『二地域居住 退職者の増加で市場拡大も』
 8/18の日経「観光立国への挑戦 ⑳」より要約。

 現在の日本では、二地域居住と田園移住の実践者は欧米諸国と比べ少ない。だが退職者の増加で、今後の市場拡大が期待されている。
 ふるさと回帰総合政策研究所によると、二地域居住と田園移住の実践者は2012年には四百万世帯に増え、別荘の取得や生活支出など合わせた市場規模は八兆円にもなるという。
 連合は98年に「100万人のふるさと回帰・循環運動」を提案し、02年には「ふるさと回帰支援センター」が設立された。同センターは05年から「ふるさと回帰フェア」を開いている。ふるさと回帰に関心のある市民の参加数は05年に約八千五百人だったのが、07年には約一万九千人に増えた。受け入れ側の自治体参加数は05年には五十八にすぎなかったが、07年には二百四十と急増した。
 熊本県天草市では特定非営利活動法人(NPO法人)グリーンライフあまくさが、森林組合と連携して田園住宅を建設し、海辺のリース農地をつけて、五百万円で供給する予定だ。

 【後日記】『訪日外国人24%減』(2009/1/28日経より転載)

 日本政府観光局(JNTO)は二十七日、2008年十二月に日本を訪れた外国人数(速報値)は前年同月比24.1%減の五十一万三千七百人だったと発表した。下落幅は重症急性呼吸器症候群(SARS)で海外旅行客が急減した03年五月(同34.2%減)以来。世界経済の悪化に加え、急速な円高で韓国などからの訪日が減った。

 減少は五カ月連続。訪日外国人数にはビジネスなど観光以外の来日を含む。訪日外国人数の約二割を占める韓国からの旅客が前年同月比48.3%減となった。急激なウォン安の影響が大きかった。台湾(同23.7%減)や米国(同15.0%減)などからの訪日も大きく落ち込んだ。

 日本から海外を訪れた人は08年十二月は7.0%減の百二十七万五千人。二十カ月連続で前年割れした。同時に発表した08年の訪日外国人数は前年比0.1%増の八百三十五万一千六百人で過去最高を更新した。

 【後日記】『訪日外国人 減少続く』(2009/8/26日経より抜粋)

 日本政府観光局が25日発表した7月の訪日外国人数は、前年同月比23.3%減の63万3000人だった。昨年8月から12カ月連続の前年割れ。

 国・地域別で旅行者数が最大の韓国は、前年同月比28.4%減の17万300人。中国は32.8%減の6万8000人だった。

 1~7月の累計の訪日外国人は前年同期比27.8%減の372万7600人。

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2008年5月 4日 (日)

憲法改正で二院制を抜本的に見直そう

 昨日の日経の社説です。現行の二院制度は日本国憲法の最大の欠陥で、日経はかねてから、参院が大きな権限を持つ現行制度の下では議院内閣制が立ち往生しかねないと指摘してきた、そしてそうした懸念が現実となった、と言っています。

 去年の夏に読んだ飯尾潤という人が書いた新書『日本の統治構造』にも書いてありましたね。参院は立場をわきまえないと不要論にまで発展する、「日本国憲法の弱点」だと。(この本は私のような政権初心者にも親切。気に入ってます。)

 さて、日経が言うことには、与党が衆院で三分の二以上の勢力を持つのは極めて稀で、単なる過半数だった場合は政治がたちまち行き詰まる、と。議院内閣制は衆院多数派が内閣を組織し、国会と国民に責任を負う仕組みで、参院はこれに対するチェック機関に本来は過ぎない、と。

 憲法は首相指名、予算、条約承認で衆院の優越を明確に認めていますが、予算が成立しても歳入などの裏付けとなる関連法案が成立しなければ予算執行に支障が出るし、条約が承認されても関連の国内法が成立しなければ実際の効力が発生しないケースも出てくると指摘しています。

 英国の貴族院やドイツの連邦参議院は国民の直接選挙ではなく、その分、権限は制約されているそうです。

 イタリアの上院は国民の直接選挙で下院と完全に同等の権限を持っており、解散の場合は常に上下両院同時だそうで、解散がないのに大きな権限を持つ日本の参院は世界的に見ても異様である、としています。

 日経は、衆院の優越をより明確にするため憲法59条を改正し、衆院の再可決の要件を三分の二から過半数に緩和すべき、と主張してきたそうです。参院に従来通り二カ月の審議機関を保証すればチェック機関としての機能は十分に果たせるはずと言い、一例として、道路特定財源問題において参院が二カ月間審議を引き延ばした結果、内閣が再可決の条件整備のために一般財源化方針に踏み切らざるを得なくなったケースを挙げています。

 また、参院の選挙制度も抜本的に見直すべきである、としています。現行の三年ごとの半数改選は無意味、六年の任期も長過ぎる、全国単位の比例代表制は廃止すべき、と言っています。

 昨年五月に成立した国民投票法で衆参両院に憲法審査会を設置することが決まりましたが、同審査会の組織や運営ルールを定める審査会規程の協議を民主党が拒否し続け、未だに憲法審査会が活動できずにいます。

 議論すべきテーマは二院制度見直しだけではなく、自衛隊の国際貢献、地方分権、環境、生命倫理などいくらでもある、と日経は憲法審査会の始動を要求しています。

 【後日記】6/20日経より転載。
 昨年成立した国民投票法(憲法改正手続き法)に基づき衆参両院に設置された憲法審査会は、今国会も一度も開かれないことになった。開催の前提となる委員の選任や議事運営のための規程制定も見送られた。

 【後日記】6/21日経。第169通常国会が六日間の延長を含む156日の会期を終えて閉会した、とあります。ねじれ国会を反映し法案審議が一カ月以上もストップするなど、「国会の空洞化」が浮き彫りとなった五カ月間だった、としています。
 国会議員には月130万円強の歳費に加え、月100万円の文書通信交通滞在費などが支払われ、国会運営には職員の給与や維持費などで一日当たり3億円かかるとも言われているそうです。

 【後日記】『衆院再可決』(2009/1/16日経より転載)

 法案は原則、衆参両院での可決で成立する。しかし衆院を通過した法案を参院が否決、もしくは国会開会中60日以内に採決しない場合は、衆院の出席議員の3分の2以上の多数で再可決すれば成立する。憲法が定める「衆院の優越」の1つ。

 行使された例は少なかったが、現状は与党が衆院の3分の2以上の議席を握っている。参院で多数を握る野党が定額給付金を盛った2008年度第2次補正予算案の関連法案の採決を引き延ばしても、3月14日以降には衆院再可決が可能になる。予算案は再可決しなくとも衆院通過から30日で自然成立する。

 衆院再可決で成立した主な法律

2008年12月・・・インド洋給油延長法、金融機能強化法

2008年4月・・・ガソリン暫定税率復活を盛った改正租税特別措置法

2008年1月・・・インド洋給油法

1952年7月・・・国立病院特別会計所属資産譲渡特別措置法

1951年6月・・・モーターボート競走法

 【後日記】『一院制、自民の公約に』2009/1/17の日経より転載。
 小泉純一郎元首相は十六日、衆参両院を対等合弁し一院制創設を目指す自民党の議員連盟(衛藤征志郎会長)の会合で「四月ごろまでに党の選挙公約にできるよう議論をしていただきたい」と述べ、一院制移行の次期衆院選マニフェスト(政権公約)への明記を提案した。
 衛藤会長は会合で一院制の原案として①議員定数は現在の衆参両院の合計から三割削減した五百②選挙区は都道府県単位の大選挙区制③憲法改正して2019年以降の選挙から実施、を提示。次回会合から同案を基に具体化を図る。同議連で決定後、党改革実行本部(武部勤部長)で正式決定して公約化したい考えだ。

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2008年4月24日 (木)

「被害者の権利」社会に問う

 またしても昨日の日経です。例の事件、光市母子殺害の元少年に死刑判決が下されました。事件は2005年四月の「犯罪被害者基本法」施行にもつながりました。

 私はかつて「新党ヒグマ」の設立を考えたことがあります。その成案が党理念に据えられるヒグマ刑とは、説明すると、事故等でなく人を残忍な方法で殺したと確実に目される輩を、どこか離れの無人島に暮らすヒグマの餌に給する、という法律のことです。

 輩へ報復するのに自らも人間であることを捨てねばならないとしたら、遺族があまりに不憫です。死刑廃止論者は家族が被害に遭うことを想像した上でそれを主張するのであれば、あまりに想像力が欠落しています。

 輩には死刑すら生ぬるいです。生物としての本能を鷲掴みにされるような恐怖に震え、絶望のうちに死を迎えねばなりません。

 私は死刑論者に対抗してヒグマ刑論者でゆこうと思います。

 【後日記】『救急隊員ら160人派遣 災害チーム、特殊車両も』
 6/10の日経によれば、「事件現場にこれほど多くの医療チームが投入されたのは都内では前例がない」(都の救急医療担当者)と言います。

 「東京DMAT」も派遣されました。DMATは都内の災害拠点病院に所属する医師と看護師らで構成され、主に災害や交通事故での活動を想定しており、今回のような事件現場に赴くのは極めて稀だそうです。出勤は過去最多の四班に及んだそうです。

 東京消防庁もトレーラー型特殊救急車「スーパーアンビュランス」一台を急行させました。同消防庁が二台所有するこの車の派遣は地下鉄サリン事件や歌舞伎町ビル火災などと並ぶ対応だと言います。

 ちなみに殺人でも今回のように残虐なケースは、冤罪の可能性ゼロなら単に死刑にするのでなく、ヒグマに喰わせるのが良いかと思います。

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