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2009年9月20日 (日)

【衝撃事件の核心】卓球台、料亭、コンパニオン…千葉県庁不正経理のあきれた実態とは

 産経ニュース2009.9.20 08:00より以下、転載。

 卓球台に将棋盤、コンパニオンとの料亭遊び…。今月9日、平成19年度までの5年間で約30億円の不正経理が発覚した千葉県庁。不正に捻出(ねんしゅつ)された公金の一部は、将棋盤や卓球台といった職員の娯楽器具などに消えていた。職員の中には、公金を元手に料亭での豪遊を繰り返し、詐欺罪で有罪判決を受ける者も。千葉県では、千葉市でも、市長と市議会議長が相次いで逮捕されるなどしたばかり。公職の立場を利用して利益を得ようとした公務員不祥事の連続に、「千葉は公務員天国か」という批判が高まっている。「公務員天国」の実態に迫った。(西山典男、田中佐和)

■若く博識のコンパニオンが… 料亭で“豪遊”1人3万円の夜

 柔らかな橙(だいだい)色の明かりが客たちを迎え、茶色の板塀に囲まれた厳かな雰囲気が漂う料亭。千葉市中央区の官庁街から車でわずか5分あまりのところに佇(たたず)む。暖簾をくぐり個室に通されると、窓からは見事な日本庭園が見える。慌ただしい日常を忘れるような穏やかな風景だ。

 ここが、千葉県庁の職員が、“豪遊”していたとされる料亭だ。

 提供されるのは季節の素材を生かした懐石料理。店に頼めばコンパニオンを手配してくれる。客2人に対し、和服姿のコンパニオンが1人付くことが多いという。いずれも若く、博識の女性ばかりで、経済や社会情勢についての会話もできる。まさに、県庁に勤める「地元のエリート」たちを満足させる“憩いの場”だったようだ。
 「大事なお客さまなので」と、店に断りを入れれば、極力、他の客との接触がないように気も遣ってくれる。そのため、接待の場所としても重宝されてきた。

 コンパニオンを呼んで楽しむには、飲食代なども含め最低でも約3万円がかかる。しかし、県職員らが、高いと感じることはなかったようだ。

 県職員が利用していたとされる料亭は、ここ以外にも、千葉市内に複数存在する…。

■100万円請求されちゃった 会社のカネで払っちゃう?

 「(料亭から)100万円もツケを請求されちゃったよ。『会社のお金』で払っちゃおうか。こっちで○○さん(県に出入りする事務用品店)からお金を用意するから、そっちも伝票を作ってよ」

 以前、県庁内では県職員の間で、こんな会話が交わされていた。「会社のお金」とはいうまでもなく、県で扱う公金を意味する。詐欺罪に問われ9月14日に懲役3年、執行猶予4年の有罪判決を受けた県職員の公判で、検察側が明かした会話だ。

 この職員は、県農林水産部の物品の購入事務の担当者。平成16年7月ごろから、他の被告や同課の職員らと週1回のペースで、高級料亭に通い、コンパニオンを付けての豪遊を繰り返していた。判決などによると、代金は、事務用品の支払い金のように装って公費から捻出し、上司を欺いて決済を受けていた。不正に捻出した総額は約2150万円に上った。

 もともと千葉県の不正経理疑惑は、20年に行われた会計検査院の全国調査をきっかけに浮上した。その後、公金をだまし取ったとして、この職員を含む県職員3人が詐欺容疑で逮捕され、県庁の独自調査でも一部部署での不正が発覚した。
 県庁のほとんどの部署で総額30億円にも上る不正が行われていたことが判明したのは今月上旬。不正は県庁だけではなく、犯罪を取り締まる県警の一部にも広がっていたことが明らかになり、県庁は大騒ぎになった。

■廃止されたはずのタクシー券が金庫に…驚くべき不正の手口

 県庁職員が公金で購入したものは将棋盤、卓球台、テニスのネットなどさまざま。県庁では10年以上前に廃止されたはずのタクシークーポン券を買い入れ、金庫内に保管して、日常的に使用していたケースもあった。

 ある県議は、こう疑惑の目を向ける。

 「過去に県の職員とゴルフに行ったことがあった。こちらの私物はボールのみで、なぜかクラブは用意してくれた。『良いアイアンがあるので試してみてください』と。どうも、クラブは職員の所属していた課の所有物だったらしいが、よく考えると変だ。どうやって購入したのか。まさか…」

 不正経理には、「一括払い」「差し替え」など、主に6つの手口があった。その中でも、7割近くを占めていたのは、架空伝票を作成して納品したように装い、購入代金を業者の口座にプールする「預け」と呼ばれる手法だ。

 「うちにも20年前から積み立てられた5千万円のプール金がある」

 県庁に長年出入りしていた千葉市内の事務用品業者は、産経新聞の取材にこう証言する。
 プール金さえあれば、物品納入を装って、ほしいものを買うのは簡単だった。というのも、千葉県庁では、職員は物品納入の際、業者からの納品書の受領・保管を義務づけられていなかった。発注から物品検品まで同一人物が担当し、ほかには誰も納品をチェックしないため、架空納品は発覚しないのだ。「プール金があれば、いちいち決済をとったり予算申請は必要なかった」。県側もこう述べており、「預け」によって、庁内の管理態勢が骨抜きになっていたことを認めている。

■消えた?プール金 職員にも業者にも“おいしいカネ”

 現在でもプール金は39業者に計約4億1800万円残っているというが、県では、全額回収は困難だとみている。

 「他の業者も同じだと思うが、プール金が会社の運転資金になっているところもあり、回収すればつぶれる中小企業がでてくる」

 出入り業者はこう打ち明ける。納品の必要もない大金が、一時的とはいえ大量に入るプール金。県職員の求めに応じて、少しずつ支払いや納品をする一方、業者側でも“勝手”に引き出し、流用していたというわけだ。いってみれば、無利子の融資のようなもので、業者にとってもプール金は“おいしいカネ”だったようだ。

 「間違ったことをしているのではないかと思いながらも断れない雰囲気があり、とてもではないが、業者の側から間違いを指摘できなかった」。ある業者はこう話す。

 「県庁の会議で出た寿司の支払いを頼まれ『後日、事務用品代金として請求書を出しといて』と言われた。『請求額を1割ぐらい高くしていいから』と言われその通りにした」

 5千万円のプール金があると証言した前述の業者は、こう明かす。
 プール金は、すべてが県庁職員の娯楽などに流用されたわけではなく、県庁の事務用品納入などにも使われていたが、正式に予算計上されていないため、業者につけ込まれる。「県から事務用品10万円の注文があれば、1万円くらい上乗せした。切手や印紙の納入まで受けているんだから、郵便局に行く手間賃みたいなものさ」。この業者は明かした。

 ある県政関係者は「こんな無茶苦茶な実態を知っている県庁職員はかなりいたと思う」と不正経理について指摘。「特に課の経理担当者とか事務職の連中は知らないというのは不自然。それどころか、自分自身が事務用品の金額をピンハネして請求していた職員もいた。その金がどこに行ったのかは分からない」と話している。

■森田知事は激怒…「県庁職員の誇りはどこにいった」

 「県民に怒鳴られても仕方がない。県職員としての誇りはどうなったんだ」

 県が不正経理の調査報告会見を行った今月9日。その直前の部課長級会議で、森田健作知事は、居並ぶ県の幹部をこう怒鳴りつけたという。

 今年4月に就任した森田知事自身は、不正に直接関係していなかったとみられる。しかし、記者会見では「就任前から噂は聞いていたが…」と述べ、「大変残念だが、しっかり確かめて今後の糧にしたい」と頭を下げた。

 その後、県庁には2千件を超える抗議の電話やメールが殺到。県庁前には街宣車が乗り付け、連日のように大音量で不正問題を批判して帰宅する職員らを罵倒(ばとう)する騒ぎも起こっている。

 県は、不正経理を行った職員や副知事を含む管理職に不正分の返還をさせるほか、職員の処分を行う方針も表明するなど、信頼回復に必死だ。しかし、18日には、新たに20年度分の不正経理約8千万円が発覚。国民や県民の不信感は増すばかりだ。

 長年にわたって県庁に巣くってきた“不正の病理”は根深く、信頼回復の一歩は、そう簡単に踏み出せそうもない。

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2009年9月13日 (日)

【日本の議論】危機に直面する「出産」「子育て」 民主党政権で何が変わる? 本当に必要なのは…

 明治大学の安蔵(あんぞう)伸治教授(人口学)は、「子育ての経済的負担を軽減」することで「安心して出産し、子供が育てられる社会を作る」(マニフェストより)とする民主党の主張に懐疑的な見方を示している。

 それは「なぜ日本で少子化が進んでいるか」という問題につながるという。

 「そもそも、結婚した女性は、以前と変わらず子供を産んでいる」と安蔵教授。日本の特殊合計出生率は1・37にとどまっているが、これは、未婚・既婚を問わない出産可能な年齢の女性が、生涯で何人の子供を産むか、という数値だ。安蔵教授は「1950年代末ごろに『子供の数は1家庭に2人』という『2子規範』ができて以降現在にいたるまで、結婚している女性に限れば、出生率はそれほど大きな変化は見せていない」と指摘する。

 実は「結婚さえしてしまえば、高度経済成長期とほぼ変わらない出生率が保たれている」という現状。このことは、いくら「子育て」の援助をしたところで、少子化を食い止めることはできないことを意味する一方、少子化・子育て問題の“本丸”は、「未婚者に、どうやって結婚してもらうか」にあることも示している。

 では、なぜ現代社会では、未婚化・晩婚化が進んでいるのか。

 「背景にあるのは、現代の女性の考え方や生き方」と安蔵教授はいう。

 女性の高学歴化に伴う社会進出や経済的自立、結婚後の就業継続希望…。こうした価値観や行動を受け入れ、それに適応した社会システムや家族の在り方を容認するのか、伝統的な価値観に重きを置き、これまでの女性の生き方にこそ幸福があると考えるのか。

 安蔵教授は「少子化や子育てを考えるということは、国家や社会の在り方を考えていくことに他ならない」と強調する。

 以上、2009.9.13 18:00産経ニュースから抜粋しました。

 この点につきまして、箸にも棒にも掛からないとある掲示板で、思いもよらず感心させられた意見があったことを思い出しました。

 例によって作者に無断で転載します。

少子化が進んだ背景には、社会構造の変化がもっとも深く関係していると思います。昔に比べて女性の社会進出が進み、共働きが当たり前になったことで、子供を育てる余裕がなくなっているのでしょう。

昔は「女は家庭に入るもの」という風潮が一般的で、結婚したら子供を産み、育て、家事一般をとりしきる事が当たり前でした。従って、保育所などを利用する世帯の割合は現在に比べてとても少なく、そういう意味では子供を育てやすい環境だったとも言えるかも知れません。男性の給与が女性に比べて優遇されていたのも、このような風潮が背景にあったと考えれば当然のことのように思えます。

女性の社会進出が進むと、こういう図式は成り立たなくなります。子供を産んだとしても、両親共に育児をする時間がないんですね。だから保育所等の施設を利用する人の割合が激増し、利用したくてもできない人が多数出てくることになります。子供を産んでも育てる環境がなくなりつつあるというのは、こういう変化も背景にあるのではないでしょうか。

また、昔は男性のみの職場であったところでも女性が活躍するようになった反面、職場の数に対して職を求める人の数が増加し、企業の効率化が進んだことともあいまって失業率の増加という大きな社会問題も発生しています。少子化問題とはこういった社会の変化が原因であり、子供手当てなどで解決できるような単純な問題ではないと思います。

最近、専業主婦を見下すような偏った見方をする女性もいると聞きます。しかし、上記のような流れから考えると、むしろ専業主婦のほうが社会に貢献しているとも言えます。少子化問題を考える場合、その背景にあるものを見ずして根本的な解決はありえないのではないでしょうか。

少子化問題は、子供手当てや高校無償化など、お金で解決できるような簡単な問題ではなく、女性の社会進出という大きな変化が背景にあることを政治家は認識すべきです。

 ・・・と、いうカキコミでした。このような考察ができる人は頭の良い人です。バカの一つ覚えのように口を開けば、特殊合計出生率うんぬんかんぬんしか言えない人とは思考の深さが違うように思います。(ただし、「女性の社会進出」という同じ要因を背景に挙げていますが、先の教授とは違って、結婚しても子供を産まない女性が増えた、という見方をされているようです。)

 【後日記】『結婚促進こそ少子化対策の要』(2009/11/27日経より)

 この日の『経済教室』は宇南山卓・神戸大学准教授が執筆でした。以下に要約します。

 少子化の進行を要因分解すると、結婚の減少が最大の原因である。日本では出産は結婚が前提で、婚外子の割合が極めて低く、出生率の低下は、婚姻率の低下と既婚女性の出生率に分解できる。国立社会保障・人口問題研究所の計算によれば、少子化が進行した70年から05年まで出生率は0.87ポイント低下した。それに対し、結婚した人口の割合である「有配偶率」の低下で1.10ポイント分の低下を説明できる。一方、結婚した女性の出生率である「有配偶出生率」は、むしろ出生率を0.22ポイント引き上げ(四捨五入の関係で合計は一致せず)、少子化の原因ではなかった

 この結婚の減少は、結婚のタイミングの変化である「晩婚化」ではなく、「非婚化」によるものである。50歳時点での未婚率である「生涯未婚率」は、60年ごろまで男女とも2%未満だったが、05年には女性で7.2%、男性では15.6%まで上昇した。現在の若年層の未婚率はさらに高く、生涯未婚率は今後も高まることが予想され、非婚化は構造的な問題となっている。

 つまり少子化を食い止めるには結婚を促進する必要があり、それには非婚化の原因解明が不可欠である。だがこれまでの経済学では、結婚には、家事と仕事の分業、耐久財の共有、子どもが持てるなどのメリットが存在し、結婚した夫婦の合計の厚生水準はそれぞれが独身にとどまった場合の合計より必ず高いと考えてきた。そのため、一生結婚をしないという選択を合理的には説明できなかった。

 これに対し、最近の研究で、家族を「個人」の集合ととらえ家計内の支出における意思決定権限に注目した、コレクティブ(Collective)モデルが発展しつつある。その理論によれば、夫婦間の所得差や年齢差などに応じて、支出の意思決定権が決まり、夫婦の所得は必ずしも平等には分配されない。結婚・出産後の離職によって意思決定権が弱くなる場合、配偶者の所得が十分高くないと結婚しても「個人」の厚生水準を高めるとは限らない。つまり独身を選択する可能性が説明できる。

 このモデルに基づけば、非婚化の原因は過去30年の女性の賃金の変化である。家計内分配の重要な決定要因のひとつが夫婦それぞれの労働市場での賃金水準であることがこれまでの実証結果で分かっている。つまり女性の賃金の変化によって、結婚の意思決定は影響を受けるのである。

 フルタイム労働者では男女の賃金差は解消されつつあり、女性が独身にとどまった場合の厚生水準は飛躍的に上昇している。一方、既婚女性の重要な就業形態であるパートタイム労働者の賃金水準は相対的に低いままで、妻の意思決定権は依然弱く、既婚女性の厚生水準は改善していない。結局現在では、独身にとどまることは必ずしも不利ではなく、非婚化を引き起こしている。

 これまでの子育て支援や現政権で検討されている「子ども手当」は、女性の賃金上昇に相当する金額以上の給付が必要で、政策コストは大きい。

 既婚女性の賃金を上げるには、パートタイム労働者の賃金上昇を目指すより、結婚・出産後も就業を続けやすい環境を整えフルタイム労働者とする方が現実的で効果も高い。またこれまでの研究で、出産後の就業継続の支援には保育所整備が有効であることが知られている。つまり保育所の整備こそ最大の結婚促進策で少子化解消策といえる。

 保育所の整備は、既に「子育て支援」の政策としてではあるが、重点課題として進められてきた。しかし結婚促進策の観点では、以下の点の改善が必要である。整備すべき地域の選択だ。これまでは待機児童数を保育所の整備の基準としてきた。だがこの基準では、非婚化のために児童数の少ない地域での保育所不足が過少に見積もられる。

 筆者は、保育所の整備状況を示す尺度として、25~34歳の女性の人口と保育所の定員との比である「潜在的定員率」を提唱したい。05年時点での潜在的定員率は、全国平均が23.1%なのに対し、大都市部では16.2%である。未婚率が低く女性の就業率が高いことで知られる山形、富山、石川、福井、鳥取、島根の日本海側6県では42.5%で、大都市部との格差は顕著である。

 結婚促進策としては、大都市部での保育所整備を現在の全国平均と同等にするだけでも大きな効果が期待できる。大都市部では25~34歳女性の未婚率が全国平均より3.5ポイント高い。保育所整備でこれを全国平均と同等にできれば、婚姻数は毎年14万件増える。これは05年の全国婚姻数71万件の2割に相当する。

 さらに、既婚女性の出生行動が過去と大きく変化しなければ出生数も20%上昇し、出生率は現在の1.3台半ばから1.62に回復する。これは、社会保障・人口問題研究所の将来推計人口における楽観的な予測である「高位推計」よりも高い水準だ。自民党の提示した移民受け入れ1000万人計画と同等の大きな効果であり、公的年金の持続可能性や労働力人口の減少の問題を大幅に改善できる。

 一方、この政策のコストとは、7%低い大都市部での潜在的定員率を全国平均と同等にするための費用である。これは、保育所の定員を28万人増やすことに相当する。東京都内の保育所定員1人あたりの運営コストが年間200万円と試算されており、毎年5600億円の追加経費が必要となる。現在の保育関係予算全体(4000億円)と比べれば高い水準だが、5兆円以上とされる「子ども手当」の約10分の1ですむ。しかも、保育所の整備による少子化対策は、現金を支給する政策と異なり、女性の労働力化と少子化の解消の両立を可能とする望ましい政策である。

 ・・・と、原因と対策を述べておられます。原因については、なるほどその通りでしょう。対策についてはもっと低コストでできる効果的なものがあります。正規の雇用コストを下げて、その分非正規の従業員に補てんしてやればよいのです。そうすれば人は今までの経済学のモデルにしたがった行動をとるでしょう。

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2009年9月12日 (土)

衆院議員の日給115万円!? たった2日で満額支給

 産経ニュース2009.9.12 22:07より以下、転載。

 8月30日の総選挙で当選した衆院議員の8月分の歳費が16日、480人の全議員に支給される。同月の在任期間は投開票のあった30日と31日のわずか2日間だが、歳費と文書通信費の計230万1千円が満額支払われる予定だ。日給換算で約115万円、全議員で約11億円という巨額な支出で、「社会常識を逸脱している」「無駄遣いだ」と批判も出ている。

 衆院事務局によると、16日に支給されるのは、8月と9月分の歳費と文書通信費の一部。議員の任期は投開票日にスタートするため、8月30日からが歳費支給の対象となる。

 歳費の額は「国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律」で1人当たり月130万1千円と規定されている。8月の在任期間はわずか2日だが、同法には「日割り計算」などの制度はなく、満額が支給されることになった。

 また、電話代や交通費など政治活動に使う目的で支給されるが、使途報告義務がなく「事実上の歳費」とも呼ばれる月100万円の文書通信費(正式名称・文書通信交通滞在費)についても全額支給される。

 こうした解散総選挙による“歪(ひず)み”は以前から指摘されている。平成12年6月の総選挙では同月2日に解散したため、わずか2日間の在任期間を理由に499人に1カ月分が満額支給され、問題になった。

 歳費の返納は「公職選挙法が禁じる寄付行為にあたる」との理由で認められていない。このため、過去には一部の議員が公選法に抵触しない「選挙区外」の慈善団体に寄付したケースがある。

 民主党新人の横粂(よこくめ)勝仁議員(28)は、「一般的に考えておかしなことだと思う。今回は受け取るが、選挙でかなりのお金を使ったので、恐らくそこに充てることになるのでは」と戸惑い気味に話す。

 近畿地方の民主党の中堅議員も「(8月)30、31日はあいさつ回りで忙しく、国会議員としての仕事はしていない。2日間で1カ月分というのは社会常識を逸脱しており、報酬規定の見直しが必要だろう」と訴えた。

 “政治とカネ”の問題に詳しい日本大学の岩井奉信教授(政治学)は「無駄遣いとしかいいようがない。日割りや返納などの制度を導入すれば済むのに、議員自らのことなので改正に意欲的でなかったのだろう。民主党は無駄遣いの撤廃を打ち出しているが、身近な点から改革しないと、国民の理解は得られないのではないか」と話している。

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