iPS細胞
iPS細胞は、もう一つの万能細胞である胚性幹細胞(ES)細胞と異なり、生命の萌芽である受精卵がなくても作成でき、倫理上のハードルが低い。また、患者自身の皮膚細胞などから作られ、治療に応用した場合に、免疫拒絶が起こりにくいとされる。
日本で生まれたiPS細胞を実用化するには知的財産戦略も重要になる。京都大学は金融機関と知財管理会社を設立、国内ではiPS細胞の基本的な製法特許を取得した。
以上、日経『きょうのことば』から。
★iPS細胞・・・京都大学の山中伸弥教授が世界に先駆けて作製した万能細胞。あらゆる細胞や組織に分化する能力を持つ。難病患者から採取して作れば、病気の原因解明や新薬候補を探索するのに活用できる。
京大は九月に、iPS細胞の作製に関する基本特許を国内で取得した。文部科学省は京大のほか、慶応大学、東京大学、理化学研究所を重点研究拠点に指定している。(12/2日経より転載)
山中伸弥京都大学教授が世界に先駆けて作製したiPS細胞(新型万能細胞)は、皮膚細胞などから作られるため、受精卵を壊して作るもう一つの万能細胞である胚性幹細胞(ES細胞)より、倫理的なハードルは低いとされている。
iPS細胞は再生医療のほか、創薬にも活用できる。分化した細胞に薬剤を加えて副作用の危険性を調べる。難病患者からiPS細胞を作って解析すれば、発症原因や治療の糸口も見つかると期待されている。(2009/2/27日経より転載)
【後日記】『iPS細胞から角膜細胞』(2009/3/2日経より抜粋)
再生医療の切り札とされる「iPS細胞(新型万能細胞)」から、目の細胞を作製する研究が進んできた。慶応義塾大学のチームは人の角膜細胞を作製、東北大学も同様の成果が得られつつある。また理化学研究所は、動物実験で網膜の細胞を作った。アイバンクを通じた角膜移植などは慢性的にドナー(提供者)が不足している。様々な目の細胞を確保できれば移植治療の課題を克服できる可能性がある。
★万能細胞・・・人体のあらゆる組織や臓器に成長する細胞。神経などに成長させて患者に移植すれば、病気やけがで失われた身体機能の回復につながることから、再生医療の切り札として注目されている。受精卵から作る胚(はい)性幹細胞(ES細胞)、京都大学チームが人の皮膚から作った新型万能細胞(iPS細胞)が知られる。
骨髄など患者自身の体に含まれ、すでに再生医療への応用が始まっている「体性幹細胞」も似たような能力を備える。ただ万能細胞の方が様々な組織へ成長する能力が高いため治療できる病気の対象が広がる。無限に増殖させられるため、企業による産業化につながりやすい利点もある。(2009/5/20日経より転載)
【後日記】『幹細胞』(2009/8/10日経より転載)
自らを複製しながら、複数の種類の細胞に分化できる細胞。種類は主に3つ。人の体に広く存在する間葉系幹細胞などの体性幹細胞と、受精卵から作られる胚性幹細胞(ES細胞)、皮膚など分化した細胞から作る新型万能細胞(iPS細胞)だ。
体性幹細胞がある特定の種類の細胞にしかならないのに対し、ES細胞やiPS細胞は生殖細胞も作ることができるなど、体のあらゆる細胞になる万能性を持つ。
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